コーブの街を見下ろす聖コルマン大聖堂。宗教施設として重要な建物であると同時に、建築上の観点からも優れた建造物です。建設が開始されたのは 1868 年。完成までに 47 年の歳月を要しました。優美な姿を鑑賞し、49 個の鐘が奏でる音色に耳を傾けてみましょう。大聖堂からコーク港の眺めを楽しむこともできます。
大聖堂の前に立つと、ネオゴシック様式のファサードに目を見張ることでしょう。天にそびえるような尖塔を見上げれば、恐ろしい形相のガーゴイル像が目に入ります。入り口の頭上を飾る聖人の彫像や華麗な装飾の窓にも注目。この壮麗な設計や装飾は、著名な教会建築家エドワード ウェルビー プジンとジョージ アシュリンの手によるものです。
毎正時になると、鐘の音がコーブの街に響き渡ります。49 個の鐘から成るこのカリヨンは、アイルランド島だけでなくグレート ブリテン島を合わせても最大のもの。5 ~ 9 月の毎週日曜日には、カリヨンの無料演奏会が開かれます。
中に入ると、主祭壇に向かって優美なアーチが続いています。アイルランドの教会の歴史を精巧な彫刻からたどることができます。アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの時代から現在に至るまでの歴史がくまなく表現されています。
大聖堂の外に出たら、敷地からコーク港のすばらしい眺めを楽しみましょう。19 世紀にたくさんのアイルランド人がこのコーブから船に乗ってオーストラリアとアメリカ合衆国に渡っていきました。聖コルマン大聖堂は、人生の新たな船出を前にしたアイルランド移民が故国で最後に目に焼き付けた建物だったのかもしれません。
聖コルマン大聖堂は毎日一般開放されており、入場は無料です。現在も礼拝に使われている場なので、適切な服装と行動を心がけましょう。
聖コルマン大聖堂はコーブの中心地にあり、街の主要な名所も徒歩圏内。車で行く場合は、大聖堂裏の無料駐車場を利用しましょう。近隣のコーブ ヘリテージ センター、コーブ博物館、タイタニック エクスペリエンス コーブに立ち寄って、コーブの海事史を学ぶのもおすすめです。