14 世紀のゴシック様式と 17 世紀のバロック様式が融合したバシリカ オブ セント フランシスは、知的好奇心をそそる名所のひとつ。この島の歴史に残る偉人の姿を伝える彫像や礼拝堂、静かな中庭、美術品で装飾された霊廟や回廊など、見るべき場所がたくさんあります。
教会正面には、空高くそびえる砂岩の壁があり、手の込んだ彫刻が施され、大きな丸窓が印象的。17 世紀に落雷の被害を受けた後に建てられました。このバロック様式の装飾と内部のゴシック様式の装飾とが織りなす見事なコントラストは一見の価値があります。
バロック様式の扉をくぐって中に入ると、一気にゴシック様式の世界が広がります。アーチ型の天井には、14 世紀の石細工と彫刻があり、教会内の薄暗がりに目が慣れてくると、壁や柱の宗教的な彫像や彫刻が見えてきます。中でも目を引くのがホルクムの聖殉教者記念礼拝堂。1572 年にオランダで 19 名のカトリック信者が処刑された事件が描かれています。
さらに奥へ進むと、マヨルカ史上最も有名な人物に数えられるラモン リュイの霊廟があります。神学者、哲学者、詩人、そして隠者であったラモン リュイは、チュニジアでイスラム教徒の改宗を試み、石を投げ付けられて 1315 年に殉教。ここでは、彼を聖人の列に加えるための活動が行われています。
隣接する回廊にも見事なゴシック様式の装飾が施されています。アーチ型の装飾越しに見える静かな中庭では、柑橘類の木や珍しい花が目を楽しませてくれます。街の喧騒を忘れ、穏やかで静かなひとときを木陰で過ごしてみませんか。
バシリカ オブ セント フランシスは、パルマ デ マヨルカの中心部に近い旧市街にあります。毎日一般公開されていますが、入場は有料です。公共交通機関でのアクセスも充実し、近くには、高級ホテルやレストランもあります。