リオデジャネイロのラパ地区は、ブラジル音楽の多様性を肌身に感じられる絶好の名所です。夜、この界隈 (かいわい) をぐるりと歩いてみると、ブラジルのあらゆる音楽や外国の流行歌が、いつでも耳に飛び込んできます。昼間はこの街に高々とそびえる大聖堂を訪ね、植民地時代から伝わる遺物を見学し、日が落ちたらナイトクラブやバーを次々はしごして夜明けまで踊り明かしましょう。
ラパのナイトライフはリオ随一の呼び声が高く、夜な夜な集まる音楽好き、ダンス好きに出くわす可能性が大です。宵 (よい) のうちは、聴くうちに緊張がほぐれていくショーロやクラシック室内楽を専門に興行しているサーラ セシリア メイレーレス (セシリア メイレーレス ホール) でコンサートを聴いたあと、この地区で突出した人気を誇るリオ セナリウム バーでシンガーソングライターの演奏を試聴してみましょう。このバーは 3 階建てですが、非常に混雑することもあるため、列に並ばずに済むよう予約を入れておきましょう。最後は、ブラジル伝統のファンクから最新のエレクトロニカまで、何でも聴けるラパのナイトクラブで夜通し踊って過ごしましょう。
ラパは、リオの文化活動の最先端を行く地区であると同時に、市内で特に古い歴史を持つ街でもあります。植民地時代のブラジルで建設された長さ 270 m (886 フィート) のローマ式水道橋「アルコス ダ ラパ」など、この土地を代表する名建築をご覧ください。水道橋の上を走るトラムに乗って素晴らしい見晴らしを眼に焼き付けてから、祭りでにぎわう近くの街路に足を向け、安くておいしい地元の料理の味を確かめて回りましょう。
ラパの建築物のうち特にはっとさせられるメトロポリタン大聖堂は、75 m (246 フィート) の高さまでそびえ、マヤ族のピラミッドに似せて造られた円すい形の教会で、辺りをはらう威厳があります。礼拝に参列してもいいですし、地下にあるセイクリッド アート ミュージアム (宗教美術博物館) には、彫塑など多数の宗教遺物が所蔵されています。南東に少し歩くと、リスボンの主要公園をモデルにしたパセイオ プブリコ (公共の散歩道) があります。ここは 1783 年に敷設されたリオデジャネイロ最古級の公園です。
ラパはリオの繁華街にあるシネランディアの南西に当たります。駐車場はなかなか空きが見つからないため、訪れる際はバスか地下鉄がおすすめです。