ダンデノン丘陵を訪れて、ウィリアム リケッツ サンクチュアリにある神秘的な作品を鑑賞しましょう。シダが茂る低湿地の中に自然のアートギャラリーが広がっています。自然に関するアボリジニの哲学に賛同して成功した芸術家、ウィリアム リケッツが作ったユニークな芸術の道を散歩できます。
ウィリアム リケッツ サンクチュアリは、母なる自然とオーストラリアのアボリジニの特別な絆がテーマ。アボリジニの先祖たちは、5 万年ほど前にはすでにこの広大な国を歩き回っていました。1898 年生まれのリケッツは、人里離れたアボリジニのコミュニティーで何年も過ごしました。オーストラリア先住民たちはドリームタイムの物語をよりどころとして、自然の造形物や動物を信仰し、聖なるものと考えています。リケッツは、土地の所有者ではなく管理者として行動した先住民に深い敬意を払いました。
ダンデノン丘陵のこの地に暮らし、背の高い木生シダやナナカマドの木の間で、精神的に内省できる自分だけの場所を見つけたリケッツ。「陶芸家のサンクチュアリ」と名付け、1993 年に亡くなるまでここに住んで彫刻を制作。亡くなる前にビクトリア州に土地を売却し、作品を屋外に公開しました。
100 点近くの芸術作品が自然と一体化して不思議な空間を作り出しています。ほとんどの彫刻はアボリジニを表していますが、翼のある天使やこの地固有の野生生物の像もあります。ガンブルートの彫刻は、この大地で人間と大自然との間に古くから存在した調和を欧州からの入植者たちが永遠に破壊してしまった様子を表しています。
リケッツの作品は、木の幹や岩から自然に生じているように見えるように主に粘土が使われています。彫像や彫刻にはうっすらと苔が生えてきています。これからもゆっくりと長い年月をかけて自然と同化していくことでしょう。
ウィリアム リケッツ サンクチュアリは入場無料。ビジターセンターが駐車場の向かいにあります。中心の道は 500 m ほどの長さで、ほとんどは車椅子やベビーカーでアクセスできます。トイレ設備と風雨から守る屋根付きのギャラリーを併設しています。
ウィリアム リケッツ サンクチュアリへ行くには、メルボルンの外れのモントローズからオリンダへ続くマウント ダンデノン ツーリスト ロードを進みます。曲がりくねった道自体も魅力的。近くにはダンデノン丘陵植物園もあり、スカイハイ マウント ダンデノンには、迷路、バーベキューエリア、パノラマレストランがあります。