広大な緑地の中にあるブレナム宮殿。美しい庭園のある田園邸宅です。18 世紀に建てられた宮殿風のこの建物には、複数の建築様式が取り入れられています。整然とした庭園には大きな噴水が誇らしげに水を吹き上げています。
このぜいたくな宮殿に入ってみましょう。ここはマールバラ公の邸宅。現在のマールバラ公、チャールズ ジェームズ スペンサーチャーチルは、ダイアナ妃や元首相のウィンストン チャーチルの遠い親戚にあたります。この建物は 1705 ～ 1722 年に建てられ、軍での功績を認められた初代マールバラ公に与えられました。しかし、すぐに公爵は内紛に巻き込まれ、追放されてしまいます。
建物を正面から見てみましょう。実に威厳のあるデザインです。写真を撮るなら手前の庭園を収めるような構図がおすすめ。きれいに整えられた生け垣の横には大きな池があり、いくつもの噴水が水を吹き上げています。この宮殿の建築美と折衷主義が、英国ロマン主義運動につながったと言われています。
内部のレイアウトは 18 世紀初期のまま。いくつもある部屋を通りすぎて行くと、ウィンストン チャーチルが生まれた部屋があります。のちに英国民の圧倒的支持を受けて戦時を率いた首相は 1874 年にここで産声をあげました。大広間を案内するガイド ツアーに参加するのもおすすめ。かつてここに住んでいた公爵たちについて、詳しい解説を聞くことができます。
庭園も散策しましょう。歩道に従って歩いて行くと、ローズ ガーデンがあったり、小さな滝や大きな湖があったり。この 809 ヘクタールにもおよぶ緑地は、英国の有名な造園技師ランスロット "ケイパビリティ" ブラウンが設計したものです。彼が生まれたのは 1716 年。生誕 300 周年に当たる 2016 年は "イヤー オブ ジ イングリッシュ ガーデン" に指定されています。
ブレナム宮殿は、オックスフォードの中心部から北へ 16 km ほど行ったところにあるウッドストック地区にあります。すぐ横にはグリム川が流れています。オックスフォードの中心部から定期的に出発するバスを利用すれば、約 30 分で到着します。オックスフォード空港は宮殿の東に位置します。宮殿、公園、庭園のどこを見学するかによって、チケットの料金が異なります。見学できるのは毎日、朝から夕方までです。
