ユネスコの世界遺産に登録されたトロギールは、石畳の道が続く美しい街。市内には城壁が張り巡らされ、立派な歴史的建造物が集まります。
トロギールは、城壁に囲まれた小さな町。旧市街は、伝統的な建物や記念碑が溢れた宝石箱のようです。過去を物語る歴史スポットは、どれも興味をそそるものばかり。埠頭に沿って伸びる道は絵画のように美しく、ロマンティックなひとときを過ごせます。
トロギールの街自体は小さいものの、その歴史はなんと 2,500 年以上前まで遡ります。ギリシャ人やローマ人、クロアチア人をはじめ、無数の民族がこの地に定住してきました。中でもトロギールに最も大きな影響を与えたのはベニスの人々。1400 年代初期から約 4 世紀にわたってこの地域を支配し、華やかな宮殿や塔、邸宅や要塞などの建造物をいくつも築きました。城壁を抜けて旧市街に足を踏み入れてみましょう。ベニスの統治時代の面影が至るところに残っています。ヴェネツィア共和国の象徴である、翼を持ったライオンを描いた「聖マルコのライオン」はその良い例です。
街の西端にそびえるのはカメルレンゴ城。かつては市内の城壁の一部で、ヴェネチア共和国の防衛拠点として機能しました。迷路のように入り組んだ通りには、ほかにも市庁舎、グランド ツィピコ宮殿、ゲート オブ テッラ フィルマなどの歴史的価値の高い建造物が並びます。トロギールを代表する名所といえば、聖ローレンス大聖堂。ヴェネチア共和国時代に築かれたこの教会は、街の中心に堂々とそびえ立ちます。一際目を引くロマネスク様式の門をくぐると、内部には彫刻品や絵画などのコレクションが飾られています。
10 月 ~ 5 月にトロギール旅行をご計画の場合は、聖ニコラ修道院にもぜひ足を運んで。1064 年に建築されたこの修道院には、現在もベネディクト会の修道士が居住しています。数は少ないものの、絵画や宗教関連の品々はどれも見事。中でも、3 世紀まで遡る大理石でできたギリシャの彫刻は必見。貴重なこの展示品は、チャンスの神様であるカイロスを描いています。
トロギールが擁するミュージアムは、どれも好奇心を刺激する示唆に富んだものばかり。ピナコテークには、宗教芸術や写本の展示が並びます。トロギールの歴史を学ぶなら、トロギール博物館は外せません。厳かな雰囲気が漂うかつての宮殿に併設されています。
空の便には、最寄りのスプリト空港をご利用ください。トロギールの市内からたったの 5 km です。空港またはスプリトの中心部からは、バスが便利です。トロギールは徒歩で十分に周ることができます。橋の向こうには、美しいビーチを擁するチオヴォの街が広がります。