トウバノウの聖泉は天然の水が湧く聖なる場所。曲がりくねった道を通ってギル湖に近い静けさに包まれた森を抜けていきます。アイルランドにキリスト教が普及する前の時代から癒やしと霊性のシンボルだった泉。5 世紀にはすでにトウバノウの聖泉はケルト族の儀式や異教の祭りに使われる神聖な場所でした。この聖地のある森を散策して、静寂と歴史を体感しましょう。
森の小川に沿って続く石畳の小道をたどり、緑豊かな谷を通ります。特別な霊場や石を組んだスポットなどに立ち寄り、この場所が何世紀にもわたってひっそりと守られてきた理由を感じましょう。新石器時代には、異教徒による収穫祭ルーナサがここで行われていたと考えられています。5 世紀以降、この泉はキリスト教徒にとって痛みを癒やす聖地となりました。
水が流れるそばには石から切り出した美しい祭壇もあります。十字架とキャンドル、豊かに茂る緑のシダで飾られたこの祭壇は、17 ~ 18 世紀に苦難を強いられたアイルランドのカトリック教徒にとって重要な場所でした。この時代、イングランドの宗教刑罰法によってローマ カトリックは厳しく制限されていたため、聖職者はひそかにここでミサや儀式を執り行いました。
この当時に造られた十字架のレプリカや、ルルドの聖母、セント アン、磔刑の場面にそれぞれ捧げられた祭壇が森の中に点在しています。癒やしの霊力があると言われる聖泉もじっくり見学しましょう。異教徒の儀式とキリスト教の伝統が絡み合うトウバノウの聖泉を象徴しているのがラグ ツリーと呼ばれる木。布切れと数珠のビーズで飾られています。
この泉を 7 月の最終日曜日に訪れると、ガーランド サンデーを体験できます。この日は毎年、古くからミサを行っていた岩で伝統的な集会と特別なミサが行われます。地元の人々は朝スライゴを出発して聖泉の巡礼に訪れ、一日中祝福と祈りを捧げます。
トウバノウの聖泉は、ギル湖の東に位置するケルンズ ヒルのふもとにあります。ここは毎日無料で訪れることができます。聖泉への入り口は、道路脇の無料駐車場から少し入った所にあります。トウバノウの聖泉へはスライゴの街から車で 15 分です。