その土地の言語アストゥリアス語では「Uviéu」と綴られる、スペイン北部の都市オビエドは、スペインで地方自治体の最小単位とされる「基礎自治体」にあたります。ここでは、中世初期の美しい大聖堂や修道院だけでなく、エディフィシオ ラ ジラファ (キリンのビル) など、近代建築を代表する建物も目にすることができます。そしてオビエドでは、数々の有名な料理と緑が映える美しい景色も堪能できます。
720 年までスペインの大半はイスラム教徒の支配下にありましたが、現在オビエドがある地域は、経済的な観点から有利な土地とはみなされず、人は住んでいませんでした。後に、791 ~ 842 年に在位したアストゥリアス王アルフォンソ 2 世が、アストゥリアス州の首都としてオビエドを設立。この時期に王宮といくつかの教会が建てられました。17 世紀の始めにはオビエド大学が開設され、これをきっかけにこの都市の近代化が始まりました。オビエドでは、なんと言ってもスペイン有数の宗教的建造物が見逃せません。
オビエドの歴史地区には、オビエド大聖堂とも呼ばれるサン サルバドル大聖堂があります。ゴシック、バロック、ルネサンスの建築様式が見事に調和するこの教会は、高くそびえる鐘楼と美しい円花窓が印象的です。大聖堂内にカマラ サンタ デ オビエド (サン ミゲル礼拝堂) があり、アルカ サンタ (聖櫃) やクルス デ ラ ヴィクトリア (勝利の十字架) といった宗教的な宝物が展示されています。
この地区ではこのほかにも、アストゥリアス考古学博物館やサン ティルソ教会などの美しい建造物を見ることができます。
オビエドには、トラスコラレス広場を始めとするかわいらしい広場がいくつかあり、その周辺にも趣のある建物が並んでいます。チーズ、シーフード、ファバーダ アストゥリアーナ (ファバーダ豆を使った郷土料理) など、この土地のおいしい食べ物も忘れずに試してみてください。またオビエドを出て、北大西洋に面する海岸線コスタ ヴェルデまで足を延ばすと、自然の素晴らしい景観を楽しむことができます。
アストゥリアス州の州都オビエドは、ビスケー湾とカンタブリア山脈の間に位置する、自然に囲まれた美しい都市です。