家内と2人で2泊した。
インターラーケンのホテルとしては、比較的廉価な印象を受けた。部屋の広さはまずまずといったところで、私たちが泊まった部屋は南側が中央固定式の全面窓(開閉は左右1/4ずつ)でテラスが付いていた。明るくて良いのだが、エアコンが設置されていないため、部屋が蒸し暑く息苦しく感じられ、窓を開けるとカーテンが閉められずに部屋の中が向かいの建物から素通しになる。予報では肌寒いくらいの気温になるはずだったが、部屋は閉塞感があってしかも暑く、夜眠れずに過ごした。
バスタブはなく、シャワーのみであった。しかも居室の入り口とともに浴室の天井には熱線を発して暖房効果のある電球が使われていて、晩春~初秋の季節には夜間の寝苦しさを助長している。こまめに切れば良いのだが、慣れない部屋で真っ暗というのも嫌なもの。
チェックイン時のレセプションでの説明ではインターネットは無料ということであったが、夜試してみると繋がらないので、翌朝その旨いうと、「有料です」と掲示を示した。2時間分ほどのバウチャーを購入することになった。またウェルカムドリンクもなく、温水器もないため、湯をリクエストすると、1L程度で2フランだという。2回ほど自分で炊事場から運ばねばならなかった。ところがチェックアウト時には何も請求されなかった。レセプション担当者の請求ミスでないならば、最初から料金がどうのといわず、さっさと準備してくれれば気持ちよく過ごせたのに、と無料であったにもかかわらずあまりいい気はしなかった。
このホテルには洗濯設備がなかった。山歩きなどをメインの観光資源とするホテルならば、コインランドリーの1台程度は設置しておいて欲しいもの。洗濯物を総て洗濯サービスに出すような客が泊まるホテルでもないと思うのだが、ほとんど利用されない室内プールはあったが、洗濯設備はないということだった。
朝食は豪華ではないが貧相というほどでもなかった。ハム・チーズが数種類とシリアル類が中心で、後は卵。野菜類はごくわずかである。コーヒーは深煎りの苦みの強い味で、日本人の場合、それほど一般受けするものではないと思われる。
インターラーケンと周辺の街そのものは人々は素朴な感じがあり、とても親切である。しかしながら、ホテルの設備は何となく古めかしく、サービスは素っ気ない。またホテルのすぐ近隣で建築工事が行われていたが、朝の6時台から金属を切断するようなけたたましい音を立てていた。ホテル側はそれに苦情を言うわけでもなく、宿泊客の迷惑はあまり考慮していない印象であった。なぜこのホテルが「クオリティーホテル」の会員に名を連ねているのか理解しがたいところである。