クレタ歴史博物館は、西暦紀元の初期から現代までイラクリオンの興味深い歴史を紹介するすばらしい施設です。ビザンティン美術の名品やギリシャで最も有名な文豪の書斎を見ることや、クレタ島が独立を求めて戦った歴史について学ぶことができます。ビザンティン、ベネチアン、オスマンの時代の民衆芸術がいかにして互いに影響を与えあってきたか、その目で確かめてみましょう。この博物館が誇る目玉は、エル・グレコの名で知られるスペイン ルネサンス期の偉大な芸術家、ドメニコス・テオトコプーロスの 2 枚の絵画です。お見逃しなく。
クレタ歴史博物館の建物は、1903 年に建てられたネオクラシック様式の大邸宅です。展示品は、4 世紀から第二次世界大戦直後まで、イラクリオンの歴史をたどるように年代順にまとめられています。考古学博物館と並んで街で最もすぐれた博物館の 1 つに数えられており、クレタ島の歴史を学べる、ぜひ一度は訪れたい名所です。
最初の展示室は、「AG カロケリノスの部屋」です。ここの目玉は、17 世紀のイラクリオンの町の縮尺模型です。40 個のスポットライトが当時の最も重要な建造物を照らす仕組みが施されていて、楽しく学ぶことができます。そのあとは美しい刺しゅうや織物、彫刻が集められた「フォーク アート (民衆芸術)」展や、思わず目を奪われるほど美しい壁画や碑文が展示された「ビザンティン」展を観賞しましょう。
クレタ島が独立国家だったわずかな期間について学べる「クレタ島の自由への戦い」展や、兵士の甲冑や女性の宝飾類が集められた「中世」展と「ルネサンス」展も興味深い展示場です。偉大なる作家、ニコス・カザンザキスの書斎を再現した部屋も見ものです。カザンザキスの最も有名な作品『その男ゾルバ』を、このあとの旅のお供に 1 冊購入するのもおすすめです。
この博物館で最もすぐれた展示品といえば、エル・グレコが描いた『キリストの洗礼』と『シナイ山と修道院の風景』です。クレタ島に残されたグレコの最後の 2 作品ですので、ぜひじっくりとご鑑賞ください。
クレタ歴史博物館は、港の隣を走るベニゼロウ通り沿いにあります。休館日は日曜日で、入館は有料です。