カンには歴史上有名な建物が残っており、その多くがこの街に眠るウィリアム征服王の治世に建てられたものです。1944 年のノルマンディー上陸作戦で街の大半が破壊されてしまいましたが、今も魅力的な建物がいくつか残っています。風光明媚な運河沿いを散策したり、平和記念館で静かに物思いにふけるひと時を過ごしたりしましょう。
壮大なカン城は必見。1060 年ごろにウィリアム征服王によって建設されたこの城は、重厚な壁、巨大な掘、中世ならでは跳ね橋や物見やぐらが残り、今も千年近く前とほぼ同じ姿を留めています。北側の城壁の上に登ると、城全体を一望できます。
男子修道院にもぜひ立ち寄りましょう。1066 年にウィリアム征服王が建設を命じたこの修道院は、王の永眠の地でもあります。14 世紀に建てられたメゾン デ カトゥランはカン最古の木骨組みの家。由緒あるノルマンディーならではの家をじっくり見学しましょう。この木骨組み建築技法は 1524 年にノルマンディー議会によって衛生面と火災の危険が高いとして禁止されてしまいました。
街を散策すると、今も第二次世界大戦の戦禍の爪痕を見つけることができます。11 世紀に建設されたサン テチエンヌ教会の爆撃の跡もそのひとつです。街にあるカン平和記念館もまた第二次世界大戦を思い出させます。ノルマンディー上陸作戦へ至る出来事とその後について今に伝える施設です。
カンは自然の名所にも恵まれています。風光明媚な運河を散策して、遊覧船が行き交う様子をサン ピエール桟橋から眺め、カン植物園では珍しい植物や薬草、ロックガーデンを眺めながら寛ぎのひとときを。バード ヒル フローラル パークの見事に造園された庭園は、5 月から 9 月にバラが咲き誇り見ごろを迎えます。
カン カルピケ空港から街の中心部まで車で 15 分。また、車で 20 分のウイストルアムの港へフェリーを利用することもできます。鉄道はパリとの往復路線が運行しています。