1896 年にビリー・ブライアンと名付けられた小さなブラック ベアがデンバー市長に寄贈されたのが、デンバー動物園の発端。現在はさまざまな動物の生息域を現地そっくりに再現した 32 ヘクタール (80 エーカー) 超の広大な敷地を備え、年間来園者数は 160 万人を超えるという、アメリカ有数の人気動物園に成長しました。
飼育動物の種類は絶滅危惧種 200 種を含め、総計 650 種に上り、木々の枝から枝へ身体をゆすりながら移動していくサル、じっと平原を見据えるキリンなどが、ダウンタウンからわずか 10 分車で移動しただけで見られます。園内は自分のペースで歩いて回っても、環境にやさしく低運賃の園内電車に乗っても便利に移動できるうえ、子どもを乗せて回るのに便利なワゴンや乳母車のほか、車いすも借りられます。
動物見学は「ベア マウンテン」(クマのすむ山) から始めましょう。1918 年にこのコーナーがオープンしたのは、動物を自然な生息環境で展示する北米初の試みでした。現在はアメリカの重要な史跡として位置付けられ、ハイイログマやかわいいハナグマなど、多数のクマの飼育でも有名です。
「プレデター リッジ」(捕食動物の尾根) では、ケニアのサンブル国立保護区を参考にした囲いにいる、ライオンやリカオン、ハイエナなどのアフリカでも特に危険な動物たちを間近から見ることができます。
デンバー動物園はさまざまな記録でも知られており、世界で 1 頭だけ絵筆で絵を描けるサイ (作品はサイやゾウなどを集めた厚皮動物館で展示中) やコモドオオトカゲの世界最大の屋内展示場、絶滅が懸念されるゴリラの生息域を世界最大規模で設けた展示場などはぜひお見逃しなく。
動物のエサやりは毎日大勢の来園者がわくわくしながら集まる人気イベント。来園の際は必ず見られるよう動物園の公式ウェブサイトで時間帯をご確認ください。併設レストランが複数ありますが、お弁当を持参して園内随所に散らばる緑の丘や気持ちの良い大樹の木陰で食べるのも楽しいものです。5 月の最終月曜日から 9 月の第一月曜日までは夏期スケジュールが適用され、は虫類や鳥たちとの触れ合いなど、充実した無料プログラムが提供されます。クリスマスのある 12 月から年始にかけてはたいへん見事な電飾が施され、何百万個ものライトが美しくきらめく中を、動く動物模型を見ながら散策できます。
デンバー動物園のある市立公園は、ダウンタウンから車でわずか 10 ほど。十分な駐車場が用意されているほか、路面電車やバスの便にも恵まれています。