冒険好きの大人に贈る、オーストラリア・ノーザンテリトリーの休日
オーストラリア北部の準州「ノーザンテリトリー」を知っていますか。実は、有名なウルル(エアーズロック)は、広大なノーザンテリトリーの南部に位置します。今回はトップエンドと呼ばれる最北部にスポットライトを当て、豊かな大自然の中で大人の冒険心を満たす旅をご紹介します。
空から陸からボートから! 広大すぎるカカドゥ国立公園は、全方位から望む!!
ノーザンテリトリーのトップエンドで必ず訪れたいのが、世界複合遺産に登録されている「カカドゥ国立公園」。日本の四国と同じくらいの大きさという“桁違いのスケール”に戸惑いますが、そんな場所だからできることがあります。それは空から望むこと!
俯瞰だと、断崖絶壁や草原、湿原、大小の河川や鉱山などがはっきり見え、いかにこの場所が変化に富んだ自然に恵まれているかがわかります。今回は1時間の遊覧飛行を体験してきました。
途中、後部座席のガイドさんから肩を叩かれました。残念ながら私は気づきませんでしたが、なんと川に何匹もの野生のクロコダイルがいたのだとか。動きがはっきり見える鳥や大型のクロコダイル、ワラビーなどは、空からでも肉眼で確認できる可能性大! 写真はコウノトリ・ジャビルー(セイタカコウ)です。
©Steve Strike / Tourism NT
■カカドゥ・エアサービス(Kakadu Air)
https://www.kakaduair.com.au/
クロコダイルはノーザンテリトリーには欠かせないキーワードです。現在でも多くの野生のクロコダイルが海水や淡水で生活しているため、ノーザンテリトリーは基本的に遊泳が禁止されています。しかも雨季になると川が増水し、カカドゥ国立公園のほとんどの道路が水没してしまうというから驚き! 陸路での観光は乾季(5月〜11月)をおすすめします。
空からクロコダイルを見逃してちょっと悔しい思いをしていたのですが、小さなボートの上から見られる体験ができるということで、イーストアリゲーター・リバーのクルーズに乗船することにしました。思いの外近い位置にクロコダイルが何匹も現れ、なかなかのスリルでした。
ボートガイドさんは、カカドゥに暮らす先住民の方。アボリジニの生活や文化についての解説を聞くことができます。ちなみにクロコダイルが襲ってくることはないのでご安心を。
■Kakadu Cultural Tours(Guluyambi Cultural Cruise)
http://www.kakaduculturaltours.com.au/
さて、カカドゥ国立公園でもう1つ見逃せないのが、アボリジナルの壁画です。有名なのは公園の北東部イーストアリゲーター・リバー沿いにある「ウビア」、そしてジャビルーとクーインダの間にある「ノーランジーロック」。それぞれの壁画にまつわる解説は現地にも説明板があるので割愛しますが、約3000年以上も前から残っているという事実から、文化的にいかに貴重な場所かというのがわかるでしょう。
■ノーランジーロック(Nourlangie rock ait site)
https://northernterritory.com/jp/ja/kakadu-and-surrounds/destinations/nourlangie-rock-art-site
実際、カカドゥ国立公園全体がアボリジニにとって神聖な場所と考えられています。自然の恵みを享受して暮らしてきた人々の、長い歴史の片鱗を見ながら歩くことで、大自然の素晴らしさを実感しました。「ウビア」の展望は夕陽の名所。数千年前にも人々がここから美しい夕陽を見たのかなと思いを馳せると、ロマンを感じます。
■ウビア(Ubirr)
https://northernterritory.com/jp/ja/kakadu-and-surrounds/destinations/ubirr
カカドゥ国立公園へは、ダーウィンから1〜2泊の旅程でツアーまたはレンタカーで訪れるのがいいでしょう。公園内にはいくつか宿泊施設もあります。いつ入口を通過したかわからないほど広大ですが、入園には入園券が必要です(オンラインで申請可)。
■カカドゥ国立公園(Kakadu National Park)
https://parksaustralia.gov.au/kakadu/plan/passes/
大自然が生んだ癒やしの空間、滝つぼで全身を浄化!
州都のダーウィンから南へ車で片道2時間(約115km)行った「リッチフィールド国立公園」でも、美しい自然景観や動物、野鳥などを見ることができます。なかでもぜひ体験してほしいのが、滝つぼ巡り! ノーザンテリトリーではほぼ全ての海や川で遊泳が禁止されていると前述しましたが、滝つぼは別。乾季に限りますが、カラッと心地よい良い気候の中、澄みきった水に入る快感は他ではなかなか味わうことができないでしょう。
今回は3か所の滝つぼ巡りをしてきました。まずは、森に囲まれた美しい「フローレンスフォールズ」。まるでクリスタルのような透明度の高さに、一瞬震えを覚えたほどです。熱帯雨林の中を歩いた後にたどり着くという自然の演出も記憶に残りました。
■フローレンスフォールズ(Florence Falls)
https://northernterritory.com/jp/ja/darwin-and-surrounds/see-and-do/florence-falls
次は「バレーロックホール」。段々に流れる緩やかな滝の途中に岩に囲まれた穴のような場所がいくつもあって、まさに天然の流れるプールといった感じです。はしゃぐ子どもたちを何人も見ましたが、大人も思わずテンションアップ!
流れは激しいですが、水辺に座るのにぴったりな岩場があるので泳げなくても大丈夫。多くの大人たちが、思い思いの時間を過ごしていたのが印象的でした。
■バレーロックホール(Bulley Rockhole)
https://northernterritory.com/darwin%20and%20surrounds/see%20and%20do/buley%20rockhole
最後は「ワンガイフォールズ」。これぞ滝つぼのイメージ! という広さで、足がつく箇所もあるので泳ぐのには最適です。午後の暑い時間でも水はひんやり冷たいので、クールダウンにぴったり!
■ワンガイフォールズ(Wangi Falls)
https://northernterritory.com/darwin-and-surrounds/see-and-do/wangi-falls
まだまだ冒険は続く! 州都ダーウィンでしたい3つのこと
トップエンドの玄関口でもあるダーウィンは州都だけあって賑やかな街ですが、自然と密接に関わった冒険体験が溢れています。
[その1]
名物観光といわれているのが「ジャンピングクロコダイル・クルーズ」。文字通り、ジャンプするクロコダイルをクルーズ上から見ることができるという、迫力満点のアトラクションです。
ダーウィンから約65kmの距離にあるアデレード川に住む野生のイリエワニ。肉をくくりつけたひもでこの猛獣をおびき寄せ、噛み付こうとするクロコダイルの不意をついてひきあげます。すると水上にジャンプ! 飼育されて芸を仕込まれたクロコダイルではなく野生だという事実が、ますます人々の興奮を誘います。
■ジャンピングクロコダイル・クルーズ(Spectacular Jumping Crocodile Cruise)
https://www.jumpingcrocodile.com.au/
[その2]
絶対見逃してほしくないのが、ダーウィンのミンディルビーチ沿いの公園で週2回行われる「ミンディルビーチ・サンセットマーケット」。乾季(5月〜10月)の木曜日と日曜日は、この界隈に300もの屋台が集まり人々で賑わいます。
ノーザンテリトリーでしか採れないオイルを使ったコスメや、民芸をモチーフにしたおしゃれなアクセサリーに思わず目移り。世界中の料理を並べた屋台がひしめき合う充実のグルメに、旅慣れた人でもきっと満足できるでしょう。
サンセットマーケットと呼ばれるくらいなので、夕陽も見逃せません。特に陽が落ちた後のマジックアワーは本当にロマンチック。美味しいお酒やお料理と共に酔いしれてください。
■ミンディルビーチ・サンセットマーケット
https://northernterritory.com/jp/ja/darwin-and-surrounds/see-and-do/mindil-beach-sunset-markets
[その3]
セグウェイツアーは、まさにダーウィンにぴったりのアトラクションといえるでしょう。
今回はファニーベイの北側に位置する巨大な公園「イーストポイント・リザーブ」で、ワラビーなどの野生動物や鳥を見ながらマングローブの中を探索する1.5時間のツアーに参加してきました。自然の神秘やそこで暮らす生き物についての解説を聞きながら、徒歩よりもずっと早いペースで回れるので、様々な理解が深まります。
©Ewen Bell/ Tourism NT
■セグウェイツアー
http://www.segwaytoursnt.com.au
私が訪れた8月上旬は、運良く年に一度行われるオーストラリアの食と文化の祭典「ダーウィンフェスティバル」の期間中でした。洗練された食事と完成度の高いショーに、刺激的な都市の文化を感じました。それが大自然と隣り合わせで存在するのも、魅力的な要素の1つ。
このように、ノーザンテリトリーには大人の冒険心を満たすコンテンツがたくさん詰まっています。今回はかなりの距離を移動したと思いましたが、それでも地図で見るとほんの一部。まだまだ奥深い世界が広がっています。
次はどこへ訪れようかと、早くも再訪への夢を膨らませています。
■取材協力
ノーザンテリトリー政府観光局
https://northernterritory.com/jp/ja
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