ヘルシンキから日帰りOK! 大型客船で行く世界遺産の街、エストニア・タリン
バルト三国の一つエストニアは、人口約130万人の小さな国。沿岸の街タリンは中世の風情が残るロマンチックな都で、旧市街全体が世界遺産になっています。日本からの直行便はありませんが、フィンランドの首都ヘルシンキからならバルト海を挟んで向かい側に渡るだけ。高速艇に乗船すればたったの2時間なので、ヘルシンキからの日帰り往復も可能です。
ヘルシンキからタリンへは、快適な大型客船であっという間の2時間!
日本からエストニアの首都タリンへは、フィンランドの首都ヘルシンキから高速艇を使って行くのが最も便利です。
今回私が乗ったのは、高速大型客船の「メガスター号(Megastar)」。タリンク&シリヤラインというバルト海のクルーズを運営している会社の船で、その中でもメガスター号は、デッキ数12、乗客定員2800人というスケール!

もともとバルト海は内海で穏やかですし、これだけ大きな船なので安定感は抜群。実際に私が乗った日は悪天候でしたが、ほとんど揺れは感じませんでした。船内は洗練された北欧デザインです。

photoby ©Marek Metslaid
乗船料金(変動性)に加え、座席はビジネスラウンジ(65ユーロ)・コンフォートラウンジ(20ユーロ)・シッティングラウンジ(無料)の3クラスに分かれています。ただ、おとなしく座っている暇がないくらい船内施設が充実しているので、初めて乗る方は無料のシッティングラウンジ(写真下)で良いかも! ラウンジのような空間ではないですが、船内各所にある数多くの席も、追加料金なしで自由に座ることができます。

photoby ©Marek Metslaid
数々のレストランをはじめ、テニスコート11面分もの広さというショッピングゾーン、バー、パブなどがあり、これらを見ているだけで2時間はあっという間。

photoby ©Marek Metslaid
ショッピングゾーンではマリメッコやイッタラなどの北欧雑貨や、ムーミンとコラボした限定グッズの販売もあり、買い物熱に火がついてしまう可能性大! 復路でも買えますから、往路は下見くらいに留めておくのがおすすめです。

では、アクセスについて簡単に紹介しましょう。
ヘルシンキでは、2017年2月にできたばかりの「ヘルシンキ西港(Port of Helsinki)」を利用します。

ターミナル1と2があり、利用船により発着ターミナルが違うので注意してください。メガスター号&スター号を利用する場合はターミナル2です。

予約はホームページから簡単にできます。ヘルシンキでは、プリントアウトしてきた予約表をカウンターで提示、または自動チェックイン機で読み取ると、乗船券が出てきます。あとは、表示に従ってゲートに進むだけ。往復で購入しておくといいでしょう。

ヘルシンキ西港ターミナル2(Port of Helsinki West Terminal2)
https://www.tallinksilja.com/ja/helsinki-west-harbour-terminal-2-t2-
タリンク&シリヤライン(日本語)
https://www.tallinksilja.com/ja/japanese
中世のたたずまいが残るロマンチックな世界遺産、タリンの旧市街めぐり
ユネスコ世界遺産として認定されているタリンの旧市街は、ロマンチックな中世の街並みが色濃く残る小さなエリア。2時間もあれば隅々まで回れてしまうほどです。城壁に囲まれた旧市街の石畳を歩きながら、フィンランドとは違う雰囲気を味わってみてください。

旧市街の中心にあるのが、憩いの場にもなっている「旧市庁舎広場」。広場の東側にある旧市庁舎は完全に保存されたゴシック様式の建築物で、北欧で唯一無傷だと言われています。

旧市街でもう一つ外せないスポットが「パットクリ展望台」。ここからは、街のシンボルでもある聖オレフ教会の塔や、赤茶色のレンガ屋根、晴れていればその奥にある港まで見渡すことができます。時刻を知らせる鐘の音やカモメの鳴き声を聞きながら眺めていると、まるで本当に中世にタイムスリップしたような感覚に陥るでしょう。

photoby ©Kadi-Liis Koppel
もし時間が許すなら、タリンに1泊するのもおすすめです。旧市街の入り口にある「サボイ ブティック ホテル バイ タリンホテルズ」は、1890年に建てられたアールデコ様式の小さなホテル(2006年改装)

女性なら思わずキュンとしてしまいそうな美しいお部屋で、旧市街めぐりの余韻を抱いたまま眠りにつくことができます。タリンのフェリーターミナルDからは歩いて20分くらいの距離なので、観光の拠点としてもぴったりです。

タリン観光事業所(日本語)
https://www.visittallinn.ee/jp/visitor
キュートなお菓子マジパンや、かわいい雑貨も!宝探し気分で歩いて
タリンの旧市街での魅力は、観光地だけではありません。雑貨店やお菓子屋さんなど、小さなお店をちょこちょこ覗いてみるのも楽しい時間です。

エストニアの方は甘いものが大好きだと地元のガイドさんがおっしゃっていたとおり、街の至る所でお菓子屋さんを見かけました。その中でも見逃せないのが、エストニア発祥という説もあるマジパンのお店。マジパンとはアーモンドの粉と粉砂糖を混ぜ合わせたお菓子で、マスコットのような形にしあげてケーキの飾りなどに使われます。

タリン旧市街にはその名も「マジパンルーム(Marzipan Room)」という施設があり、実際に作っている様子を見たり、体験することもできます。

「マジパンルーム」があるのは、エストニアの老舗チョコレートメーカー「Kalev(カレフ)」社の店舗内。マジパンはもちろん、ショーケースに並んだボンボンショコラなども購入することができます。奥には、1864年から現在の場所で営業しているというタリン最古のカフェ「Maiasmokk」(写真下)が。うっとりするような店内には、静かな時間が流れていました。

旧市街にあるエストニア議会のオフィシャルショップ「Parliament Shop」には、オリジナルのグッズの他にエストニアデザイナーによる作品が置かれていました。刺しゅうや押し花をおしゃれにあしらった1点モノのアクセサリーやハンドメイドの手袋は、とってもアーティスティック!

どの作家さんも日本では知られていないので、珍しいお土産を見つけるには絶好の機会です。

ところで、エストニアは2018年に、ちょうど最初の独立から100周年を迎えました(1991年にソ連から再独立)。海外からの関心が高まるこのタイミングを、タリン観光事業所の方も重要視しているようで、「ますます旅行者に来てもらえるように力を入れたい」とおっしゃっていました。

フィンランドのヘルシンキを“洗練されたデザイン都市”と呼ぶならば、タリンは“古き良き伝統と最新が織り交ざったミステリアスな街”というのが私の印象です。まだまだ開発途中の場所も多くありましたが、そこに可能性を感じました。
今回は紹介できませんでしたが、アーティストが工場跡地を改装してトレンドの発信地にしていたり、その周辺にユニークなベンチャー企業が集まっていたりと、興味深い場所も見つけました。観光地としてどんどん注目されつつあるタリン、北欧旅行のオプションとして加えてみてはいかがでしょうか。
マジパンルームとカフェ「Maiasmokk」
http://www.kohvikmaiasmokk.ee/en/
Parliament Shop
https://www.riigikogu.ee/en/visit-us/visit-riigikogu/parliament-shop/
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Cover Photo/©Allan Alajaan
【取材協力】
フィンエアー http://finnair.co.jp
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