投稿者 : KAZUMI、投稿日 2019 年 8月4日

これぞ本物の旅! 能登の漁船に乗って「海の男」を体験してみる 

2015年に北陸新幹線が開通して以来、旅がしやすくなった石川県の能登半島。海に山、カルチャー、絶景……と魅力にあふれています。なかでも楽しみなのが、新鮮な魚。レストランや食堂など、いたるところで旬の魚介を味わうことができます。……が、ただおいしいだけではない、さらに一歩進んだスペシャルな企画が能登にはあるのです! それは、定置網漁船乗船ツアー。漁師さんとともに海に出てとれたての魚を味わうスペシャルなプログラムを体験しました。

魚が豊富な「天然のいけす」の優しい漁業法とは?

能登の海は、「天然のいけす」と呼ばれるほど魚が豊富。春のメバルに夏のタチウオ、秋のシイラにアオリイカ、そして冬は寒ブリ……と、食べたい魚は枚挙にいとまがありません。一年を通してこれほど魚類が多い理由は、海の透明度が高くプランクトンが豊富だから。プランクトンを餌にする小魚から、それを餌にする大型魚まで、いろいろな魚が生息しています。さらに、湾は外洋に比べ波が穏やかなため、一年中漁をすることができます

豊潤な海の恵みを、新鮮なまま私たちに届けてくれるのが、定置網漁。文字通り、海中の定まった場所に網を設置し、回遊する魚群を誘い込む漁法のことをいいます。魚を追うでもなく、もちろん養殖でもない定置網漁は、漁場が沿岸付近に固定されているから、新鮮な魚を安定して供給することができるのです。

夜明け前、いよいよ漁船に乗って海に出発!

そんな定置網漁を間近で見られるのが、鹿渡島定置が行う「大型定置網 漁乗船体験」。実際に漁船に乗り、漁師さんが定置網を引き上げる様子を間近で見学します。定置網漁は全国で行われていますが、これはなかなか珍しい企画。

さっそく、漁船に乗って海へ出発! まだ辺りが暗い夜中の3時ごろ、鹿渡島(かどしま)漁港を出港します。船の上、しかも未明の時間なので、真冬はそうとう冷え込みます(見学の際に必要な長靴やかっぱ、軍手などは500円で一式レンタル可能)。でも、暖房が用意された部屋もあるので、そのあたりは過度な心配は不要。むしろ、頭上に満天の星を眺めながら風を感じるのが心地いいほどです。一本の灯だけをつけてすいすいと進む船に、気分は「海の男」!

港から漁場までは約20分。カモメの鳴き声が激しくなってきたら、目的地に到着です。網にかかる魚を狙ったカモメの多さと鳴き声の激しさにびっくり! これは大漁の証拠? でも、その日が大漁かどうかは、どんなにベテランの漁師であっても、実際に網を引き上げてみないとわからないのだそうです。

いよいよ、ここからがクライマックス。漁師さんたちが、海中に定置した巨大な網を、水深約50メートルから引き上げていきます。もちろん、漁のお邪魔にならないように気を付けるマナーは必要ですが、傍らで見学できるのは、かなりの迫力。次から次へと網にかかる魚は、船倉(ふなぐら)と呼ばれる船底の貯蔵庫に入れて港まで運び、すぐに選別、市場へと運ばれます。

定置網漁はチームプレー。漁師さんたちも、あうんの呼吸で、スムーズに一連の作業をこなしてゆきます。「荒々しい声が飛び交う漁船」というステレオタイプのイメージとは、まるで真逆。若い漁師さんたちも、とても穏やかでジェントルマンです。

引き上げ作業を終えた船は、ふたたび港へ。港に帰る途中、天気がよければ美しい朝日に遭遇することも。富山湾とその向こうに広がる立山連峰をオレンジ色に染めながら太陽が昇る時間は、感動のひとときです。

とれたての魚で贅沢な朝ごはん

3時の出港に合わせて早起きをしているから、港に帰った頃にはお腹もペコペコ。これからの楽しみは、とれたて魚の朝ごはんです。魚の選別法やさばき方、おいしい食べ方をレクチャーしてもらいながら、みんなでワイワイと朝食の準備するのも、このツアーの楽しみのひとつ。

もちろん、いただく魚はその日の漁によって変わります。まさに、シーフードレストランの目玉メニュー「キャッチ・オブ・ザ・デイ」そのもの。ときには、なかなかお刺身ではいただけないような魚が食卓に並ぶこともあります。これは、新鮮な魚が手に入る定置網漁だからこそ。

テーブルにずらりと並ぶのは、お刺身、魚の出汁がたっぷりの味噌汁、脂と甘みが口いっぱいに広がる煮魚……などなど。漁港の近くでとれる海藻のアカモクなど特産品もいただいて、朝食とは思えないほどのご馳走です。

朝ごはんをいっそうおいしくさせるのは、漁師さんとの会話。「定置網漁は企業で行うのが一般的。だから漁師はみんなサラリーマンなんですよ」「業績がいい年はハワイへ社員旅行したこともありますよ」「今はちょっと人手不足」……というお話にも、興味津々です。

なにより、魚を追いかける漁法に比べ、とり過ぎてしまうことがない定置網漁は、環境にもやさしくサスティナブルな漁業。海がある街に行くと、何も考えず「おいしい!」とばかりに魚を食べていますが、そんなことを知ると、海のこと、自然環境のことも考えさせられます。

定置網漁船乗船ツアーは2コース。乗船のみの2時間コース(3,000円)と、乗船体験・魚の選別・捌き方・朝食が含まれる5時間のコース(5,000円)があります。季節はもちろん、日によって海の状況は変わり、ときには船が大揺れすることもありますが、それも自然相手だからこそ。迫力ある体験もして、とれたての魚も食べられて、食の安全や大切な水産資源についての気づきも与えてくれる貴重なツアーは、体験する価値大です。

大型定置網 漁乗船体験
電話:0767-58-1350 (株式会社 鹿渡島定置)
URL:http://www.nanaonet.jp/~kadoshimateichi/

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