投稿者 : 貫史 松澤、投稿日 2016 年 2月9日

現在と過去が交錯する街、西門町で新旧グルメを楽しむ!

西門町は正式な街区名ではなく、日本統治期、周辺にあった台北城西門に由来して名づけられた町名です。現在は、北は漢口街から南は成都路、東は中華路から西は康定路に囲まれた一帯を指します。

日本統治期から花街として発展し、その後中華商場の建設・撤去を 経て、台鉄の地下化、MRT板南線の開通と、何度も発展と衰退を繰り返してきました。そのためこの地域には古き良き伝統を伝えるものと、新しい文化が混在 しています。

今回はそんな新旧グルメに焦点をあて、西門町の魅力に迫ります。

伝統の滷味の老舗 VS 新食感が人気の串焼き餅

西門にはさまざまな有名小吃店がありますが、ここでは観光客に人気の老舗滷味店と、新感覚の「もち」が若者に人気のお店を紹介します。

50年の歴史が誇る味:老天祿滷味

西門町の伝統小吃
Photo by:李 季霖

西門町の伝統小吃といえば、この武昌街老天祿の滷味(ルーウェイ)。創業50年以上の老舗です。

滷味は鴨や豚、牛肉や豆腐などを甘辛い醤油味の秘伝のたれで煮込んだもの。焼き鳥のように串にささっているものもあれば、豆腐や鶏手羽など量り売りのものもあり、バラエティーに富んでいます。

歩きながら食べる人や、お土産にする人も。台湾だけでなく、日本や韓国、中国など、海外からのお客さんでいつも混雑しています。2008年には台北市10大伴手禮(お土産)にも選定されました。

[one_half]老天祿食品
住所:台北市萬華區武昌街二段55號
営業時間:9:30〜22:00
公式サイト(中国語):http://www.lautianlu.com.tw/[/one_half]

[one_half_last]50年の歴史が誇る味:老天祿滷味(ラオティエンルー・ルーウェイ)
Photo by:Chung Shao Tung[/one_half_last]

鴨肉や鶏肉、豆腐などの醤油煮込み。安いものは一串10元程度、串に刺さっていないものは1個または量り売り。

若い人を引き付ける新しい味:沖繩日式碳烤麻糬

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Photo by:Jirka Matousek

最近若者の間で大人気となって長蛇の列ができているのが、沖繩日式碳烤麻糬(チョンシェンリースータンカオマーシュー)。

麻糬とは日本語の餅(モチ)の発音に由来する台湾語(発音はモァチー)です。串に刺して炭焼きしたやわらかな餅(のようなもの)にさまざまな味のたれを選択して食べるスタイルが人気となりました。

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Photo by:Jirka Matousek

塩味系(タイ式カレー、照り焼きなど)と甘味系(黒砂糖、黒ゴマなど)があります。碳烤麻糬(炭焼き餅)は、各味とも1本30元。

[one_half]沖繩日式碳烤麻糬
住所:台北市峨嵋街49‐5號
営業時間:12:00〜22:00
公式サイト(中国語):http://www.7776112.com.tw/
[/one_half]

[one_half_last]若い人を引き付ける新しい味:沖繩日式碳烤麻糬(チョンシェンリースータンカオマーシュー)Photo:Abel Cheung[/one_half_last]

碳烤麻糬(炭焼き餅)各味とも1本30元

老舗コーヒー喫茶 VS 新進気鋭のお洒落なカフェ

繁華街として発展してきた西門町には、文化の発展の核となった老舗珈琲館もあれば、新しいカフェもあります。ここでは2つを比べてみましょう。

西門の歴史と文化を見つめてきた珈琲館:南美咖啡

西門の歴史と文化を見つめてきた珈琲館:南美咖啡(ナンメイカーフェイ)
Photo by: Richard, enjoy my life!

台湾では日本統治時代に喫茶文化が流入しましたが、戦後はコーヒーが高級品になったこともあり、喫茶文化があまり発展しませんでした。ただ、まったく喫茶店がなかったわけではなく、戦後すぐにコーヒー喫茶を始めたお店もいくつかあります。

その一つ、南美咖啡(ナンメイカーフェイ)は1962年創業の老舗で、世界各地からコーヒー豆を取り寄せています。サイフォンで入れた、香り高い自家焙煎豆コーヒーが人気。コーヒー豆の販売もあります。

[one_half]南美咖啡
住所:台北市萬華區成都路44號
営業時間:8:00〜22:00 無休
公式サイト(中国語):http://nanmaycoffee480.myweb.hinet.net/[/one_half]

[one_half_last]11-4_photo_8
Photo by:Richard, enjoy my life![/one_half_last]

特級南美(Special Brend)85元、藍山No.1(Blue Mountain No.1)120元、モーニングサービス(コーヒーとトーストなどのセット8:00〜11:00)120元 ほか

おいしい手作りのお菓子とこだわりのコーヒーが人気のカフェ:i CAFE

おいしい手作りのお菓子とこだわりのコーヒーが人気のカフェ:i CAFE
Photo by:bryan…

i CAFEは2012年に開店した、新進のカフェ。西門紅樓の裏手にあり、表通りから一歩引っ込んだ、目立たない隠れ家的な雰囲気のお店です。店内にはネット環境が整備され、シックな内装で居心地の良い空間を演出しています。

i CAFEの手作りケーキPhoto by:bryan…

自慢の自家焙煎珈琲のほか、手作りのケーキが評判の逸品で、特に冬~春に売られているいちごタルトは人気の一品。こだわりの台湾茶も取りそろえていて、お土産としても購入可能。軽食があるので、簡単なお食事もできます。

i CAFE
住所:台北市萬華區西寧南路82巷2號1樓
営業時間:9:00〜20:00
公式FB:https://www.facebook.com/icafe20121221

瓜地馬拉(グァテマラ)120元、義式濃縮(エスプレッソ)55元、手工草莓塔(いちごタルト、季節商品・1ピース)85元、蘋果派(写真下・アップルパイ、1ピース)75元 ほか

伝統の老舗福建料理 VS 若者に大人気の洋食店

いまではすっかり若者の街の西門町ですが、古い地元密着のレストランもあれば、若い世代に人気の新しい洋食屋さんもあります。西門の多面性はこんなところにも表れています。

台湾では数少ない福建料理専門店:福州新利大雅餐廳

福州新利大雅餐廳(フージョウシンリータイヤーツァンティン)は1949年創業の福建料理専門店。創業70年近くになる老舗では、ほかではなかなかお目にかかれない福建料理が楽しめます。

人気の秘密は毎日近くの市場から仕入れる新鮮な海産物の数々。大人数でコース料理を楽しむのも良いですが、一人なら名物メニューの海鮮米粉(小)をどうぞ。具だくさんのシーフードビーフンで、100元といううれしい価格。お昼時はこれを注文する人で混雑します。近年誠品書店西門店の7階に転居し、お店が新しくなりました。

福州新利大雅餐廳
住所:台北市萬華區峨嵋街52號7樓(誠品西門店内)
営業時間:11:30〜14:30、17:00〜21:30
公式サイト(中国語):http://www.shinli-daya.com.tw/

海鮮米粉(小)100元、腰花海蜇(豚の腎臓とクラゲの甘酢煮込み・小)320元、紅糟海鰻(ハモの紅麹衣揚げ・1個)40元、芋泥(温かいタロイモのクリームデザート・小)150元 (サービス料10%がかかります)

新潮流・西門で洋食はいかが?:焗本家洋食屋

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Photo by:Antonio Tajuelo

焗本家洋食屋(ジューペンジャーヤンシーウー)は、若者に人気のグラタン専門店。

日本では馴染みの食べ物ですが、台湾ではこのような洋食専門店の普及はまだまだ現在進行形。そういったなか、価格の安さと手軽さ、イタリア系洋食のファッショナブルなイメージが若者に評価され、人気のお店になりました。

西門町に2店舗を構え、Pasta Bar義大利麵的達人(パスタ専門店)と阿毛石鍋燉飯(ドリア専門店)は同じ系列チェーン。各店舗にはマスコット犬が配され、訪問客の人気者になっています。

焗本家洋食屋(西門峨眉店)
住所:台北市萬華區峨眉街22號2F 武昌街2段48-1號:阿毛燉飯の2階にも支店あり
営業時間:11:00〜22:30
公式FB(大芳食品事業有限公司):https://www.facebook.com/dayfunfood

グラタン類 160元均一、ラザニア類 180元均一、セットメニュー260元均一(休日はセットメニューのみ)

日本統治時代の遺構でお茶 VS 子供の夢のお城でお食事

西門町には歴史を物語る史跡もあれば、子供が大喜びするレストランもあります。まったく違った魅力が混在するのも西門ならでは。皆さんならどちらにしますか?

止まった時間のなかで楽しむ歴史と茶の香り:八拾捌茶輪番所

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Photo by:Irvin Chen

八拾捌茶輪番所(バーシ-バーチャールンファンスォ)は日本統治時代の1924年に建てられた旧本願寺派台湾別院の輪番所(僧坊)を復元してできた喫茶スペース。古い日本家屋の持つ荘厳な雰囲気の中で、ゆっくりと台湾茶を味わえます。

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Photo by:Irvin Chen

大きなお椀にいれた茶葉にお湯を注ぎ、レンゲですくって茶杯にうつしながら飲むという、一風変わったお茶の作法が楽しめます。また、本格的な生和菓子も人気。畳のお座敷と椅子席両方あるので、お好みの座席でどうぞ。

[one_half]八拾捌茶輪番所
住所:台北市萬華區中華路一段174號
営業時間:13:00〜21:00
公式サイト(中国語):http://eightyeightea.com/
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[one_half_last]止まった時間のなかで楽しむ歴史と茶の香り:八拾捌茶輪番所(バーシ-バーチャールンファンスォ)
Photo by:Bunkichi Chang[/one_half_last]

梨山烏龍310元、打那烏龍270元、上生和菓子230元、アップルティーシャーベット(蘋果紅茶雪酪)120元 ほか

大人も子供もブロック遊びに熱中?:FUN樂砌

2014年7月にオープンしたばかりの、レゴで遊べる&買えるレストラン、FUN樂砌(ファン・ルーチー)。

一階は厨房、二階にレストランと遊戯・ショッピングスペースがあります。お食事は1階で注文して2階で受け取ります。メニューはサンドイッチやパスタなどの洋食が中心。食事ができあがるまでレゴで遊ぶのもよし、レゴのオブジェを眺めたり、商品をショッピングしたりしながら待つのも良いでしょう。計量カップを使った量り売りのレゴも売られています。食事だけでなく、カフェとしても利用できます。

FUN樂砌樂高主題館
住所:台北市萬華區西寧南路108號1-2樓
営業時間:11:00〜21:00(ラストオーダー20:00)
公式FB:https://www.facebook.com/fortune.r.e.ximen/

スパイシー・トマトソースとガーリック・チキンのパスタ(蒜香茄汁辣味鷄丁義大利麵)180元、パニーニ各種(帕里尼系列)230元、ティラミス(特製提拉米蘇)80元、カフェラテ(原味拿鐵)120元 ミニマムチャージ80元
レゴの量り売り(350ml 350元、500ml 450元)ほか

台北駅から徒歩でアクセスOK。西門町へ行ってみよう!

台湾 西門町
Photo by:松澤貫史

いかがでしたか? 西門町は川べりの荒れ地から始まり、今日までさまざまな変遷を遂げてきました。そのため、台湾人のあいだでも、40代以上にとっては映画館の街、若者にとっては流行とファッションというように、世代によって異なった思い出や印象があります。

今も変遷の痕跡がさまざまなところに残る西門町を、おいしい食べ物を通じてぜひ体験してみてください。西門町へのアクセスは、松山新店線・板南線の西門駅下車すぐ。台北駅から歩いていくこともできます。

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Cover photo by:Jirka Matousek