投稿者 : トラベル ライター、投稿日 2019 年 10月29日

旅の思い出作りにいかが? 脳裏に焼き付く東京近郊「エクストリームラーメン」5選

どうも、エクストリームラーメン専門家のキリヲです。

昨今、ラーメンにもヘルシー志向や高級志向の波が押し寄せている。中には世界的に権威ある賞を受賞するお店も登場するなど、ラーメンのグルメ化が進んでいるようだ。私もそうしたラーメンを食べたことがあるが、確かにうまいはうまかった。

しかし、世の中には「ラーメンには、とにかくパンチを求めているのだ!」という、私と同じ気持ちを抱いている同志もいるのではないだろうか。そこで今回は、私が勝手に「エクストリームラーメン」と呼んでいる食べ物を紹介させていただきたいと思う。

エクストリームラーメンとは、どんな食い意地っ張りの“欲しがり屋さん”の胃袋も、刺激をひたすら求める味覚や嗅覚も、少なくとも12時間ほどは完全に満たす暴力的なラーメンのこと。食にありながらも、なぜか食べ終わる頃には、ひと仕事終えたような満足感を得られるブツを私はこう呼んでいる。

東京近郊には無数のグルメスポットが存在するが、今回紹介するお店に足を運んでもらえれば、その衝撃は脳裏に焼き付くこと間違いなし。せいぜい1,500円程度のリーズナブルな金銭を支払うだけで、忘れられない旅行の思い出をつくることができるのだ。初心者におすすめのオーダーも紹介しているので、参考にしてくれたらうれしい。

二郎系の古株にして究極の完成形「ラーメン富士丸 神谷本店」

二郎系の古株にして究極の完成形「ラーメン富士丸 神谷本店」

森羅万象、何事にも歴史があるように、二郎インスパイア系のお店として名を馳せる「ラーメン富士丸」にも歴史はある。

富士丸は、もともと「ラーメン二郎」の赤羽店として始まり、あるときから新たな道へと歩み始めた開拓者。国道1号線から生まれた遺伝子を引き継ぎ、現在は赤羽駅から徒歩20分、志茂駅から徒歩10分ほどの北本通り沿いで新たな刻(とき)を刻んでいる。

富士丸に行くとき、私はたいてい開店2時間前には到着するようにしている。それほどまでに早く動いてみても、私の前には10人程度のラーメンゾンビが待ち受けていることがほとんど。押しも押されぬ大人気店と言えよう。

「富士丸ラーメン」(850円)

こ、これは!?!?!?

「富士丸ラーメン」(850円)。初めて目にした者は、あまりの衝撃に腰を抜かすこと必至のこのビジュアル。甘じょっぱく、豚骨というよりも、豚肉そのもののダシががっつり効いたと言える醤油ラーメンだ。

ゴワッゴワの自家製ちぢれ麺

ズルっとやれば、芳醇な小麦の香りに抱きしめられ、貴方は恍惚の表情を浮かべることだろう。ゴワッゴワの自家製ちぢれ麺と、それに絡みつく甘じょっぱくヘヴィーなスープがたまらなく、この食事はもはや快感の域と言える。

「ブタかすアブラ」(30円)

このラーメンに必要な潤滑油が「ブタかすアブラ」(30円)だ。

たった30円の食券を購入するだけで目の前に導くことができる、この無限の可能性を秘めたお椀は、ひたすら刺激的なお醤油と豊かなラードの風味を漂わせるブタかすだ。

ラーメンそのものにぶっかけて食べるのもよし、つけめんよろしくアブラの湯船に麺を入浴させて食べるのもよし。あなたなりの食べ方が見つかったら、私にもぜひ教えてほしい。

「国産ブタメン」(1,150円)

ちなみに、さらにエクストリームな体験をしたい方には「国産ブタメン」(1,150円)がある。一頭分の肉を使っているのではないかと思われる圧倒的なボリュームのブタをぶちこんだラーメンだ。

胃袋に自信がない人は、間違っても注文しないでいただきたい。もしどうしてもチャレンジしたいのなら、最初は食券を出すときに「麺半分」と伝えることをおすすめする。大盛りを頼んだら最後。貴方に待ち受ける未来はお店の人への謝罪である。

◯初回おすすめオーダー:富士丸ラーメン(食券提示時に「麺少なめ」 or 「麺半分」)+ブタかすアブラ+生玉子
※生玉子をボウルにぶち割れば、貴方はブタすき焼きすらも楽しめてしまうぞ!

ラーメン富士丸 神谷本店
住所:東京都北区神谷3丁目29-11
TEL:03-3598-6558
営業時間:18:00くらい〜25:00(日曜はL.O 24:00) 月曜休

大勝軒の中でも群を抜くド濃厚さが推せる「滝野川大勝軒」

大勝軒の中でも群を抜くド濃厚さが推せる「滝野川大勝軒」

つけ麺の元祖「東池袋大勝軒」の名前やバイブスを受け継ぐお店は、もはや星の数ほどある。しかし日夜、次々と亜流が生まれては消えているのが現状。いつだって残るのは、一握りの本物だけである。

その中で、今回私はあえて、本流である東池袋大勝軒から、北へ少し移動したところに店を構える「滝野川大勝軒」を紹介したい。

ここは、まごうことなき大勝軒テイストながらも豚骨の中に魚介を感じるスープの分厚さ、麺の量、そして店長の気さくな人柄と、全て揃ってしまったエクストリームラーメンなのである。

「チャーシューメン」(1,300円)

こ、これは!?!?!?

私が推したいのは、大勝軒といえばおなじみの「もりそば」ではなく、ラーメンの方だ。こちらは「チャーシューメン」(1,300円)。

まるで洗面器のようなサイズの丼……。メニューには「並盛り」と「中盛り」があり、初めて行く人は「なぜ大盛りがないのか?」と疑問に思うかもしれないが、それは中盛りを食ってみれば「もう十分だよぉ~」という気持ちになれるからである。

それは、当然ながら量の話だけではなく、とにかくスープがド濃厚だからだ。こんなに濃厚な大勝軒は、なかなかないが、私の場合はそこにニンニクをぶち込むのが定番。ロース肉の薄切りチャーシューは、パルマ産の極上生ハムのようで非常にうまい。

メンマが好きなら「メンマ」(300円)をトッピングすればいいじゃない。

メンマが好きなら「メンマ」(300円)をトッピングすればいいじゃない。自家製のメンマは大切な食物繊維にして名脇役。しっかり味が染み込んだ甘めメンマは、食欲をぶち上げてくれる。

「もりそば」(900円)

つけ麺がお好きなら、当然「もりそば」(900円)もおすすめ。クラシカルな東池袋スタイルのつけ麺も食べることもできるのがこの店の懐の深さだ!

◯初回おすすめオーダー:チャーシューメン+生玉子
※生玉子は店長がお椀にするかラーメンに落とすか聞いてくれます。お椀で頼み、すき焼きのごとく食らうのがおすすめ!

滝野川大勝軒
住所:東京都豊島区東池袋1丁目32−2 小泉ビル 1F
TEL:03-6914-2070
営業時間:昼の部11:00〜15:20 / 夜の部17:20〜20:50(※スープがなくなり次第終了) 月曜休
公式サイト:http://www.tai-sho-ken.com/

麺もチャーシューもメンマも主役のオールスター感謝祭「麺屋永太」

90年代末から2000年代にかけて一世を風靡したつけ麺。

先述の東池袋大勝軒のスタイルが一般的に広くウケたものなら、こちらの「麺屋永太」は早稲田エリア神田川沿いに大量のラーメンゾンビを生み出した「べんてん」(現在は成増にて営業)の、濃厚かつ超絶大盛りラーメンの遺伝子を持つ店である。

ベッドタウンとして有名な西川口の隣に位置する、埼玉は蕨(わらび)駅にある本店。私はこの店に行くためだけに幾度となく蕨駅に足を運ぶが、そうでない方はさいたまスーパーアリーナへの遠征ついでに腹ごしらえするのもおすすめ。こちらがメインになってしまうくらいの多幸感を得られることだろう。

「味玉つけ麺」(950円)+「大盛り」(100円)+「チャーシューメンマ」(450円)」

こ、これは!?!?!?

「味玉つけ麺」(950円)+「大盛り」(100円)+「チャーシューメンマ」(450円)」。濃厚な動物系のダシとほのかな魚介を感じるスープに、四角く切られた麺の絡みつきが最高だ。

もともと麺の量が爆発的に多いのだが、そこにチャーシューとメンマを合わせていくのが私のスタイル。「チャーシューメンマ」を頼めば、こちらが主役とも言えるようなボリュームになる。

チャーシューとメンマを合わせていく

口の中でとろける味わいたっぷりのチャーシューと、幸せな柔らかさと甘じょっぱさを堪能できる絶品メンマ、それに麺を一緒に口に放り込めば、それはもう至福。

チューシューとメンマが脇役に収まらない、言うなれば主役ばかりのオールスター感謝祭が、ここ麺屋永太では繰り広げられているのだ。メンマは、瓶詰めメンマなら一瓶まるごとというレベルの量ではないだろうか。

最後にスープ割り

最後にスープ割りを頼み、ゆっくり口に運べば、芳醇な魚介の香りで鼻腔が満たされる。思わず貴方も「結構なお点前で」などと言ってしまうこと間違いなしだ。

「辛味」(100円)

ちなみに辛いのが好きな方には別皿の「辛味」(100円)で味を変化させることも可能。辛さだけでなく、独特の刺激的な香りも魅力!

ノーマルの「ラーメン」(800円)と「塩ラーメン」(900円)も抜群にうまい

ちなみにノーマルの「ラーメン」(800円)と「塩ラーメン」(900円)も抜群にうまい。鼻腔を撫でるような魚介の香りと、濃厚ながらもすっきりとした後味のスープはやめられなくなる。そして、やはりこちらもチャーシューとメンマが大量だ。

つけ麺も、ラーメンも、どちらも並盛り・中盛り・大盛り・特盛りと細かく指定可能。食べっぷりのよい客には、「お腹いっぱいになりましたか」と、店主がやさしく声をかけてくれる。私はその一言が聞きたくて、茹でたあとはほぼ1キロ以上にもなるつけ麺の大盛りをオーダーし、風味豊かな麺をかっくらっている。

◯初回おすすめオーダー:永太つけ麺(並盛200g or 中盛300g)+生玉子+辛味

麺屋永太
住所:埼玉県川口市芝5-2-14
TEL:048-266-6777
営業時間:火~金 17:00~23:00(祝日の場合12:00〜17:00)、土 12:00~15:00 / 18:00〜21:00、日 12:00〜17:00 月曜休

ラーメンはおかずにもなる? エクストリーム飯を食す「家系ラーメン とらきち家」

ラーメンはおかずにもなる? エクストリーム飯を食す「家系ラーメン とらきち家」

家系ラーメンというのは、一般的にほうれん草の添えられた豚骨醤油ラーメンのことを指す。今やあらゆる土地に「家」という接尾語を添えた屋号を確認することができる。

その中でも、横浜の極北には、横浜にもかかわらず星ではなく虎を掲げ、エクストリームな猛虎打線を感じるブツを提供してくれるお店がある。

「チューシューメン」(780円)

こ、これは!?!?!?

「チューシューメン」(780円)。見てほしい、この油膜と美しいチャーシューを! 美しく均等に並べられた海苔は麺だけではなく、お米を包むためにあるお布団のようなものだ。

あらゆる光を折り曲げてゆく屈折角を生み出す油の奥に、本物を感じさせる茶色さがある。家系ラーメンとは、何も白濁しているラーメンのことだけを言うわけではない。

ズルっと啜れば嗚呼……濃厚な油脂感とスープのコク、そして後から来るしょっぱい刺激が、味覚を通り越して脳髄にダイレクトアタックをキメてくる。ヤミツキ、という感覚をここで貴方は覚えることだろう。

フライドガーリックは入れ放題

卓上調味料として設置されたフライドガーリックは入れ放題! 我々ニンニク族は、生ニンニクも揚げニンニクも変わらず愛していく義務があるのである。

そして家系と言えば、当然必須なのがライスである。ラーメン屋でライスを頼むなんて、そんなに多量の炭水化物を摂取するのなんて……と見る向きもあるかもしれないが、食ったあとはジムにでも行けばいいだけのこと。

家系といえばご飯

私が思うに、ラーメンはおかずになる。

これは「賄い飯し」(170円)。この店の素晴らしいところは、ライスに少量のお肉を散りばめたブツが、たった100円台で堪能できることだ。こんなに素晴らしいこと、めったにありませんよ貴方。

「賄い飯し」(170円)

極めつけは卓上調味料として置かれた「ライス用ニンニク」だ。お醤油でしょっぱく味付けられたニンニクほど白ごはんに合うものはない。ごはんのおかず選手権を開いたとすれば明太子、イクラを抑えて、見事グランプリに輝くレベルのブツである。

そしてそれにマヨネーズなんかぶっかけた日には……食欲を制御することは不可能だ。

ちなみにこれは、このとらきち家の本家である王道家でも推奨されている食べ方だ。本気でハマってしまった方は、茨城県取手市にある王道家まで瓶詰めのライス用ニンニクを購入しに行くように。お兄さんとの約束だよ!

◯初回おすすめオーダー:チャーシューメン並盛+賄い飯し
※硬さ・濃さ・油の量は全部普通、もしくは濃さだけ薄め!

家系ラーメン とらきち家
住所:神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3-1-1
TEL:045-491-5953
営業時間:11:00~22:00 月曜休
公式サイト:http://www.oudouya.com/torakichiya.html

味噌の実力を思い出させてくれる「味噌っ子ふっく」

私は「味噌ラーメン」というものは、非常にハードルの高いものだと考えている。日本人のほとんどは「味噌」と言えばまず味噌汁を連想するだろうが、だからこそ味噌ラーメンは作りようによっては一瞬で味噌汁(豚汁)と同等になってしまう。

汁物としてはご飯における最良のパートナーであるものの、私のようなエクストリーム好きからすれば、どうも麺のお供として味噌スープは弱い。貧弱貧弱ゥと言いたくなるものだ。

しかし、ここの味噌ラーメンを食べればその次元の違いを改めて感じることになるだろう。

「味噌ラーメン」(800円)

こ、これは!?!?!?

「味噌ラーメン」(800円)。白みがかかったスープに浮かぶ野菜の山、そして味わい深そうな色の肉。

複数の味噌を混ぜ合わせてつくられたというスープを口にすれば、味噌の旨味や溶け出した野菜の芳醇さにまずクラクラくるだろう。そして、モッチリとした中太麺を啜れば、貴方はぶっ倒される。

「辛味噌ラーメン」(850円)

それに辛めの油を浮かべたのが「辛味噌ラーメン」(850円)。この辛味噌ラーメンはあくまで激辛ではなく、ピリッとするオイリー感を味わうことができる。私はこれが、この店のベストバランスのラーメンだと考える。

「ちゃーしゅー飯」(300円)

お供には、「ちゃーしゅー飯」(300円)がおすすめ。試行錯誤の末に生まれたという色の濃いチャーシューが所狭しと散りばめられている。

私のおすすめは、ご飯の上のチャーシューを一部ラーメンの方に移植して食べること。ラーメンに乗っているチャーシューより、多めに醤油ダレがまぶされているので、味わいが若干変わるのである。

「担々麺」(860円)

さらなる高みを求める強者には「担々麺」(860円)がある。このゴージャス感を見てほしい。

花椒とスパイスが散りばめられた挽き肉は、最高のパンチ力。にもかかわらず、うまさのバランスを壊さないスペシャルなマッチングを見せるこの一杯、この店一番人気といっても過言ではないだろう(筆者調べ)。

ちなみにたまにやる限定ラーメンはどれもおすすめだ! 店主は創作味噌ラーメンの鬼才である。

◯初回おすすめオーダー:辛味噌ラーメン+ちゃーしゅー飯
※激辛好きは食券提示時に「辛め」と頼んでみよう。泣きます。

味噌っ子ふっく
住所:東京 杉並区 上荻2丁目40-11 四面道ビル
TEL:03-6913-6649
営業時間:月 11:00~15:00、水~日 11:00~15:00 / 18:00~21:00(※いずれもスープが無くなり次第終了) 火曜休
公式サイト:https://cc-lab.jp/hook/

見ただけで既にお腹いっぱいだ、という人もいるかもしれない。しかし、絵画が実際に観に行くと全く印象が異なるように、これらのラーメンも実際に食べてみないことには、その魅力は分からない。

東京周辺には、貴方の知らないラーメンアナザーストーリーが潜んでいる。こちらの世界に足を踏み入れていただけることを、心よりお待ちしている。

文:ケイキリヲ……ラーメン二郎、二郎系、たまにビールを飲んでます。ブログ「フロムムサシノ」運営中。

編集:はてな編集部

※記事内で表記の値段は全て取材時のものです。ご了承ください

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