台湾カフェのちょっと変わった楽しみ方
猫カフェ、ブランコカフェ。これらはご存じのとおり台湾発のカフェです。新しいカフェスタイルを次々と創造している台湾。しかし80年代までは喫茶に対しダーティーなイメージが付きまとい、輸入頼みのコーヒーもぜいたく品として大変高い関税がかけられていたため、台湾のカフェ文化はなかなか花開きませんでした。1990年代に入り低価格コーヒーチェーン店が登場し、コーヒーを飲む文化が一般化してくると、次第にコーヒーだけではない台湾独自のカフェ文化が登場し始めました。
その中で今回ご紹介するのは、アルコールが楽しめるカフェ、しかも輸入ビールが飲めるカフェです。
台湾では輸入ビールが割安
台湾と日本の税制の違いによって、台湾での輸入ビールの価格は日本にくらべて低いようです。最近は円安になり、台湾元が相対的に高くなったため、日本との価格差は小さくなりました。しかし、台湾の物価安の影響もあり、お店にもよりますが、日本よりまだ10～15%ほどは安いようです。デパートなどの小売店で見かける輸入ビールもやはり割安に見受けられます。それならば、台湾で輸入ビールを楽しまない手はない、と思いませんか？
ベルギーから台湾独自のスタイルへ
日本でも、徐々にベルギーのビアカフェが浸透しつつあります。ただ、カフェと言えば、コーヒーを飲んだり軽食を楽しんだりといった印象のほうが強く、お酒を楽しむ場所という印象が薄い人もいるかもしれません。
ベルギーでは、カフェでビールが飲めるのは一般的。それも数種類などというレベルではなく、数十種類、あるいは100種類以上をそろえる店もあります。軽食を楽しめる店や、早朝から営業しているカフェがあるのも特徴です。ビールは主にボトルですが、ドラフトを扱っている店もあります。
台湾では、このようなカフェをベルギーで経験した人たちが、90年代後半に台湾大学や師範大学周辺にビアカフェをオープンしたのが始まりと言われています。もちろん、これらのお店はベルギーのスタイルにのっとった、軽食が楽しめてお酒が飲める場所、というお店です。ベルギー産のボトルビールをたくさん常備している点も本場と似ています。また、ベルギースタイルのレストランや本場ベルギーのカフェチェーンもオープンし、手軽に輸入ビールを楽しめる場所が増えました。しかし、近年ではそういった本場のスタイルにとらわれない、台湾独自の発展形ともいえる「輸入ビールの飲めるカフェ」が登場しています。
Photo by Jamie Lantzy / gbbt2008 297 / jlantzy
輸入ビールを楽しめるカフェが登場
まず、台湾で最も早期にビアカフェを開店したのは大安区の温州街に2店舗をかまえるCafé Bastilleと、同じ大安区のCafé Odeonと見てよいでしょう。この2つのカフェは1996年の創業。ベルギーカフェの影響を顕著に受けていて、提供しているビールの種類が多いのが特徴です。Café Bastilleは学生街に位置していることもあり、店内に無線LANを提供しています。PCを持ち込んで仕事をしたり、あるいは読書をしたりするなど、ゆったりと寛ぐことができます。
新進のビアカフェとしては北義極品というカフェがあります。スイーツメニューが豊富で、取り扱い輸入ビールの種類は豊富です。コーヒーの種類も充実、ケーキやコーヒーを目当てに訪れるお客さんもいるようです。2011年台北優質咖啡館TOP30を受賞しており、ビールは1本150元前後からです。
また新生北路の德佈（Debut Café）はもともと基隆で開業したカフェ。北海岸で廃校を利用したカフェを経営していたこともある変わり種です。台北市内のカフェは明るい内装とクラッシックな調度品のコンビネーションがポイント。ガラス張りの店構えに木の扉の入り口というミスマッチが訪れる人を驚かせます。店内には漢方薬店で使われていた棚や様々なアンティークが展示され、特徴的な雰囲気を醸し出しています。ビールは120元前後から。本格的なコーヒーも楽しめます。どちらのカフェも無線LAN完備です。
ビールを飲んでリラックス！
このような輸入ビールを提供するビアカフェは台北のみならず、大都市にたくさん登場してきています。輸入ビールの中にはアルコール度数が低いものもありますので、お茶やコーヒーだけでなく、おしゃれなカフェで冷たいビールを飲みながらのんびり、という楽しみ方もいいのではないでしょうか。
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Civer photo by Bernt Rostad / Delirium Café / brostad
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