台湾ぶらり旅、北部の砲台を歩いて巡ってみよう
台湾の首都・台北市は、地下鉄やモノレールが開通してから、急速に発展しました。きらびやかな摩天楼、おしゃれな地下のショッピング街、便利で清潔な公共機関。それらはいまや、日本とほとんど変わりません。首都台北は、おいしいグルメを堪能し、安くて品質の良い品物を買う楽しみにあふれています。
ところが、台湾の北部は、そうした都会の楽しみとは正反対の、田舎町をぶらぶら気楽に旅するという楽しみ方もできるのをご存じでしょうか。台北の華やかな部分を楽しんだ後、都会の騒がしさから離れて、ぶらりと地元民の生活に歩調を合わせて、まったりと過ごしてみませんか?
基隆はすぐそこ、台北から別世界までわずか数十分
台北からさらに北上すると、「基隆」という町に着きます。もともとの名前は、「鶏籠(とりかご)」。名前の通りの、小さな港町でした。隆盛の基点となる、という意味を込めて、中国語では同じ発音となる現在の字に置き換えられたのです。
ここは台北から汽車で40~50分、バスなら20~30分ほどの場所にあります。バスは10~15分に1本と本数も多く、最短距離の高速を走るため、とても早く着き便利です。
電車は本数が少ないので、時刻の確認が必要です(おおむね時間に正確です)。遠回りをするので時間がかかりますが、台北から徐々に変貌していく町の様子を窓からゆっくりと見られるので、バスよりも旅行気分に浸れます。行きは電車で景色を楽しみ、帰りはバスで早く帰るなどと使い分け、両方とも楽しんでみるのもいいかもしれません。
見晴らしのよい丘の上から、港を展望
駅の真ん前に港が広がる場所というのは、世界でもまれだそうです。基隆の駅を降りてみると、すぐ目の前に波止場・海・大きな船に青い空。海が広がり山やお寺もたくさんある、ステキな港町に到着します。
港に着くとすぐ、日本統治時代の古い建物が目に入ります。すでにここは、都会のせわしさや近代感とは無縁の場所。その中を行き交う人々もまた、別世界の住人たち。数十年もタイムスリップしたかのようなノスタルジックな雰囲気が、外から来た人たちをあたたかく迎えてくれます。そんな独特な基隆のたたずまいをたっぷり堪能しながら、今回の目的地・海門天険に向かうことにしましょう。駅からバスで101、103、104に乗り「海門天険」の停留所で下車します。
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基隆駅の正面は港[/one_half]
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古びた味わいの街並みが異世界にいざなう[/one_half_last]
基隆市には山が多く、その山頂のあちこちに砲台が残っています。そのどれもが見晴らしがよく、絶景が見下ろせる地点に築かれています。いまでは多くの砲台が国家指定古跡に認定され、多くの観光客や地元民の憩いの場となっています。今回の訪問地・海門天険はそんな基隆を代表する砲台。数ある中でもっとも規模が大きく、また市街区からほど近い場所に位置しています。基隆市はいずれの砲台も、無料で開放されています。
バス停を降りると、入り口から階段を上ります。うっそうと生い茂る亜熱帯の木々と、古びた石の階段。それらは、かつてはここが激戦の地だった頃のことを思い起こさせます。しかし、それはもう過去の話。今では平和な時代の景勝地へと姿を変え、目に残るのは美しい景観だけ。そんな思いに心を楽しませながら登っていくと、海に向けた砲台が設置された、草地の広場に着きます。急に眼前に広がる平地と緑が心地よく目に映ります。ここから基隆の港や街並みが一望できます。
ここは17世紀、欧米列強を阻止するために作られた軍用地でした。砲台から弾を発射されることはもはやなく、街を見守るようにたたずんでいます。眼下に展開するのは、基隆市民の息づかいが感じられる静かな港町です。
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深い緑に心を癒やされる[/one_half]
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頂上は緑の平地[/one_half_last]
そして戦没者の墓地も、敷地内外にあります。ひっそりと押し黙ったまま、永遠の平和を祈るかのような静寂を残し、かつては敵や味方だった英霊たちがともに眠っています。
スペインやオランダに占領された歴史を持つ基隆。そして、フランスやイギリスと壮絶な攻防を繰り広げたこの砲台は、心なしかヨーロッパの古城のようなたたずまいも色濃く感じられます。
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緑深い門壁の天辺は港に面している[/one_half]
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今は使われることのない砲台がたたずむ。[/one_half_last]
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文:TedSue
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