南アフリカの文化の多様性を伝える国立文化歴史博物館。何千年も前の岩壁画や古代の考古学的発掘品から、写本や写真、彫刻などの新しい物まで、多岐にわたる展示がされています。プレトリアの旧造幣局を利用したこの博物館も含め、ハウテンには全部で 8 つの博物館や文化センターがあり、総合してディソング ミュージアムと呼ばれています。
入口のすぐ外には太古の動物の骸骨が展示されています。骸骨をよく観察したら、中に入りましょう。石器時代の道具や、ケープ ダッチと呼ばれる様式の家具は見どころ。刺しゅうや織物など、各部族の伝統工芸品も見応えがあります。野生動物の剥製も豊富。この地域の固有種は絶滅の危機に瀕しています。
南アフリカに最初に住みついたといわれているサン族の岩壁画や彫刻は必見。シャーマンがトランス状態で踊り、霊界に昇る場面が描かれています。マプングブエ王国の遺跡で見つかった、鉄器時代の小像も興味をひかれる展示品の 1 つです。アパルトヘイト政策がこの国のアフリカ人、アジア人、インド人に及ぼした影響について、新聞の切り抜きや公文書、写真などで伝える展示は一見の価値があります。
常設展に加え、世界の文化をテーマにした特別展も開かれています。過去には、エジプトのミイラや中国の兵馬俑の展示などが行なわれました。
博物館はプレトリアのダウンタウンの端にあり、周りには他の主要観光スポットもあります。公共バスは博物館から歩いてすぐのところに停まるので便利。車で行く場合は、安全の確保された駐車場を利用しましょう。近くには、メルローズ ハウス博物館やクリューガー ハウス博物館もあるので、併せて訪れることをおすすめします。博物館を出たら、バーガーズ パークの木陰で一休みしてはどうでしょう。
国立文化歴史博物館は、祝日を除き毎日開館しています。入場は有料です。英語のガイド付きツアーも行なわれています。ガイドは歴史と芸術に関する知識が豊富で、詳しい解説をしてくれます。営業時間、入館料、ツアーのスケジュールなどの詳細については、博物館の公式ウェブサイトをご覧ください。ディソング ミュージアムの他の施設については、受付にお問い合せください。