黄赤色と白が交互に塗られた東京タワーの正式名称は、「日本電波塔。」テレビとラジオの電波を飛ばすことを目的としてエッフェル塔が建ってから69年後の昭和33年(1958年)に竣工しました。高さはエッフェル塔より9m高い333m。当時は世界一高い建物であり、世界に戦後の復興と高度経済成長を印象付けたのです。
一方で、復興したのは良いものの、東京タワーの鉄筋材料は何と朝鮮戦争で使われなくなったり、使わなくなったりした米軍の戦車のスクラップ。考え方によっては戦争によって滅び、戦争によって復興したという何とも皮肉な一面もあるのです。
話は戻り、1958年のオープンから今までの東京タワーの来館者はおよそ1億5000万人。その人たちが目当てにしたものは、地上145m(一階)と250m(二階)地点の二つの展望台から360°パノラマで一望する東京の街でした。一階にはカフェテリアや屋内イベントスペース、お土産店などがあります。主なアトラクションの一つは、床がガラス張りになっていて地面まで見ることができるルックダウン ウィンドウです。思わず足がすくんでしまいそうになるかもしれません。
二階の特別展望台へは、追加料金がかかります。
高所恐怖症の方は、無理をして上に上がらなくてもタワーの麓のフットタウンから東京タワーを見上げたり、フットタウンの各種エンターテイメント施設を楽しんだりしてみてはいかがでしょう。フードコートや、本物の人間のような蝋人形が集まった蝋人形館、子供向けの遊園地、そして海と水の生き物900種以上50,000匹を飼育する世界で最も大きな水族館の一つもあります。
東京タワーは、オリンピックなどのスペシャルイベントや年末年始など工夫を凝らした様々な色とりどりのライトアップでも話題を集めます。その時その時で異なるライトアップを行うようになったのは、1989年に来場者を増やすために始めたことなのです。夏は視覚から涼しく感じることができるようなものに、冬は光にオレンジの色味を持たせて暖かみを感じることができるようにしました。
1958年の完成から半世紀以上経ち、東京スカイツリーという新たな東京のランドマークのライバルが誕生してもなお、東京タワーの根強い人気は健在です。