フリックコレクションは、印象的な芸術作品が多数飾られた大邸宅。現在は美術館になっていますが、かつてここには、ピッツバーグで鉄鋼業を営み富を築いたヘンリー クレイ フリックが住んでいました。1919 年に彼が亡くなると、遺言に従って、邸宅、家具、芸術作品が、優れた芸術を人々が気軽に観賞できる公共ギャラリーとして、ニューヨークに寄贈されました。
コレクションには、絵画、彫刻に加え、テキスタイル、置時計、懐中時計、磁器、リモージュ琺瑯、金銅、銀細工などもあります。全部で 16 ある展示室を順番に見て回りましょう。そこには、1,100 点以上に及ぶ全コレクションの中の一部が展示されています。
芸術作品は優れたものばかり。また、ルネサンス期から 19 世紀後期に至るまでの幅広い時期のものがそろっています。絵画では、ブーシェ、レンブラント、ターナーなどの作品があります。ゲインズバラとヴァン ダイクの肖像は見どころ。フラゴナールの恋の成り行き、ゴヤの鍛冶場、モネの冬のヴェトゥイユ、ルノワールの散歩道、ターナーが描いた海の景色なども見逃せません。彫刻では、マルヴィーナ ホフマンによる、フリックの胸像とレリーフの肖像が見どころです。フレデリック レミントンのブロンコバスターも有名。ヘラクレス、マルス、マーキュリー、ネプチューン、ヴィーナスなどの神や女神、サテュロス、ニンフなどの彫刻もあります。
18 世紀の家具も見事。彫刻、象眼、美しい布地が装飾に使われています。磁器にも注目しましょう。セーブル産のものから中国の明の時代のものまで、さまざまな磁器が並んでいます。金銅の作品としては、枝付き燭台がたくさんあります。タペストリーとしては、ペルシャ絨毯、中国の絨毯、フランドル様式のカーペット、壁掛けなどが飾られています。
美術館の特別プログラムに参加するのも良いでしょう。コンサートや講義、演奏会などが行われます。プログラムのスケジュールは、オンラインで見ることができます。
博物館の休館日は、毎週月曜日と特定の祝日です。入館料には、ガイドによる簡単な解説が含まれます。また、お年寄りと学生は割引料金で入館できます。10 歳未満の子供は入館できないので、注意が必要です。
フリックコレクションへは、ニューヨークのバスや地下鉄で行くことができます。マンハッタンのミッドタウンから 5 番街をウィンドウショッピングしながら行くのもおすすめ。ジャクリーン ケネディ オナシス貯水池を見ながら、セントラルパークの南端を西から横切って行くのも良いでしょう。