田園地帯の町ラメーゴは、ポルトガルの歴史上、特に重要な役割を担ってきた地で、12 世紀の城や聖堂が立ち、古くから自国の政治、宗教の発展を促してきたことを誇りにしています。1139 年、諸公がアフォンソ・エンリケを初代ポルトガル国王に推戴したのも、ここラメーゴででした。現在は主としてこの地域で特に歴史の深い教会や受賞歴のあるワイナリーを目当てに、大勢の旅行者が訪れます。
ラメーゴの歴史に触れるには、ダウンタウンの散策がおすすめです。カステロの 3 階建ての本丸に上ると、キリスト教徒とムーア人 (北西アフリカのイスラム教徒) の戦闘について学ぶことができます。近くにあるこの街の大聖堂はラメーゴの大聖堂と呼ばれ、ゴシック様式です。この教会の沿革はアフォンソ・エンリケ王の治世に端を発し、イタリア人画家ニコロ・ナッツオーニの手になる天井のフレスコ画には、見る者を圧倒する迫力があります。通りを 1 本はさんで向かい側に立つラメーゴ博物館は、前司教邸内に設けられた、この街の博物館で、ルネサンス時代の祭壇、フランドル産のタペストリー、馬車など、さまざまな展示物が公開されており、日曜日の朝は入場無料となります。
並木に彩られたドトール アルフレド·ジ·スーザ通りを西へ向かうと、この街でも特に観光客の姿が目立つサントゥアリウ ジ ノッサ セニョハ ドス レメジョス (救いの聖母教会) があります。ここは 18 世紀にひときわ高い丘の頂上に建てられたバロック寺院で、行く途中で 700 段もある美々しい階段を上りますが、華麗なタイル モザイク「アズレージョ」が施されているため、踊り場ごとに休憩がてら足を止めてじっくりご鑑賞ください。さっと車で行く方法もあります。毎年 9 月には数千人の巡礼者がこの寺院に押し寄せ、街では何日も祝祭が開催され、コンサートや舞台劇も披露されます。
ラメーゴは良質なワインの産地としても名高く、カーヴェス ダ ハポゼイラでは、セラー見学や各種スパークリング ワインの試飲も楽しめます。市街を出て北に向かうと、キンタ ダ パシェカ、キンタ ダ ヴァラドゥなど、自家ブドウ園のあるワイナリーで、ワイン造りについて学べます。
ラメーゴはポルトから東へバスか電車で 107 km (70 マイル) ほど揺られると着きますが、ブドウ園を併設したワイナリーめぐりを考えている場合は、レンタカーが便利です。