生成 AI 時代に備えて

執筆者 : ケイト ブスマン

2023 年は、生成 AI 時代の始まりを告げる年でした。何百万人もの人々がオンラインチャット機能や画像生成機能を体験し、急拡大しているこの技術の可能性に圧倒されました。生成 AI は、機械学習モデルと AI モデルを使用してテキスト、画像、音声などを生成するコンピューター プログラムであり、架空の人物との「会話」から、即座に作成されるイラストまで、これまでにない品質を示すようになりました。

しかし、大きな話題になったのは、機能が強力になったためだけではなく、誰もが簡単に利用できるようになったためです。さらに、「デジタルネイティブ」による「生成 AI 時代」が到来しました。

多くの人にとって、生成 AI は試してみて楽しむおもちゃのようなものですが、医療からジャーナリズムまでの各種業界は生成 AI の潜在能力に気付いています。旅行業界も例外ではありません。実際に、Expedia Group は 4 月に ChatGPT との提携を発表し、話題のチャット機能をエクスペディアのアプリに組み込みました。旅行者はこれを旅行計画ツールとして利用し、予算、日程、条件 (家族旅行向けのリゾート、LGBTQ+ の利用しやすいホテルなど) を指定して、お勧めの宿泊施設やレジャーを質問できます。旅行でどこに行くかを決める際に、選択肢がありすぎてブラウザのタブを次々に開き、途方にくれるようなこともなくなります。

Expedia Group プロダクト & テクノロジー担当 CTO 兼取締役であるラティ マーシーは、「さまざまな客室タイプ、日程、予算を考慮すると、ホテルだけでも約 1,200 兆件の選択肢になってしまいます」と述べています。「私たちは数年来、AI を使い、ユーザーの皆さまに合うオプションを適切な価格で提示することで、皆さまの旅行をサポートしてきました。」

機械学習はプライストラッカーにも組み込まれています。会員専用の機能で、フライト価格をトラッキングし、適切な予約タイミングを見計らうお手伝いをします。一方、Hotels.comには、旅行者、目的地、期間など 40 の条件に基づいて最適な客室タイプを提案する AI 機能があります。「宿泊施設を探すときに同じ条件で比較するのは難しいことがわかっているので、スマートショッピング機能を開発しました」とマーシーは言います。「このツールは、キングサイズのベッドの有無やスイートルームかどうかなど、各客室の異なる特性を読み取り、AI を使用してお客様に最適な客室をおすすめします。これらのおすすめは、旅行に関する情報に基づいて作成されます。例えば、一人旅の旅行者に人気があるかどうかなどです。」生成 AI を使用している製品は他にもあります。「施設やサービスについての回答機能」は、 口コミやレビューの内容を読み込んで回答するため、旅行者が自分で調べなくて済みます。また、ダイナミック旅行ガイドでは、世界中の人気の都市について、宿泊料金、天候、混雑レベルなどの詳しい情報が得られます。

旅行者は今後、AI が実現する機能を体験することになるでしょう。2023 年には、旅行の計画に対話型 AI を利用したと回答したアメリカ人旅行者は 6%* だけでしたが、Expedia Group によって実施されたグローバルアンケート** のデータでは、この数値の劇的な増加が予想されています。現在では、およそ 40% の人が、ホテルやバケーションレンタルを調べるときに生成 AI を使用したいと回答しています。3 分の 1 の人が、AI を使用してフライトの選択肢を比較したり、旅行先のアイデアを集めたいと回答しています。さらに 35% の人が、AI を使用してアクティビティや現地ツアーを探したいと回答しています。

荷造りも AI が済ませてくれるようになれば最高なんですが…

NRG による 2023 年のレポートより

Expedia Brands 部門が市場調査機関 OnePollに委託して実施した消費者調査の結果に基づきます。調査は2023年9月12日～10月5日に14地域20,000名を対象に実施しました。

ケイト ブスマン

ライター

オンラインイベントを開催し、The Times、The Telegraph、InStyle、Glamour、Marie Claire などの国際的な新聞や雑誌で執筆や編集を行ってきました。NPR、BBC、Sky News などにも出演しています。ロンドン、ニューヨーク、ナポリに住んだことがあり、いつかパリに移住する予定です。