ノンアル旅 : アルコールフリーで過ごす旅が人気上昇中

長い間、旅とお酒は強いつながりを持ってきました。シャンパングラスを片手にお祝いをしたり、沈みゆく夕日を眺めながらゆったりとお酒を味わったり。しかし、今ではアメリカの大学生の 4 分の 1 以上がお酒を飲まず、若い人ほどお酒が主役でない旅の形を求めています

同時に、若者の親世代でもお酒を飲まない生活への関心が高まっており、アルコールの摂取量が大幅に減少しています。昨今のウェルネスブームに加え、ドバイやエジプトなどの飲酒が文化的にあまり根付いていない国・地域が旅行先として浸透してきたことも考慮すると、お酒を飲まないノンアル旅の人気の高まりは当然の流れと言えるでしょう。また、半数の* 旅行者は、ノンアルコールカクテルやノンアルコールビールなどのノンアルコール飲料を提供しているホテルに関心があると回答しています。

「ホテルは、美味しいノンアルコールカクテルやお茶、ストレスへの抵抗力を高める効果のあるアダプトゲンを含むドリンク、『幸せホルモン』とも呼ばれるセロトニンの分泌を促す食材を使ったソーダなど、新しいメニューを次々と提供し始めています」。Expedia Group のブランド広報代表、メラニー フィッシュはこのように述べています。「ホテルの創造力はとどまる所を知りません。従来から楽しまれてきたプールでカクテルを飲むこと以外に、工夫を凝らした様々なアクティビティが誕生しています。バリ島のモンキーフォレストの近くにある禁酒をポリシーとした『ファイブエレメンツ リトリート』や、バラとライチを使ったノンアルコールカクテルを提供する『リッツ パリ』に泊まれば、まず、お酒が恋しくなることはないでしょう」。さらに、Hotels.com アプリの絞り込み機能を利用すれば、理想のホテルの検索がもっと簡単に。2024 年は、お酒から離れたノンアル旅に出かけませんか ?

ホテルのミニバーが変化

客室のミニバーのお酒の隣に、リラックス効果のある CBD ドリンクや栄養を摂取できるコールドプレスジュースなどが置かれるようになってきています。事実、アイルランドのホテル「ザ メリオン」では、自家製のノンアルコールジンを用意しています。また、ホテルのバーに訪れてみると、昔よりも遥かにノンアルコールのメニューが増えていることに気付くはずです。アメリカのボルチモアにある「レバイバル ボルチモア パート オブ JDV バイ ハイアット」では、お酒を飲まないバーマネージャーとバーデンダーの Anna Welker 氏がノンアルコールカクテルの提供を開始。アメリカのオーランドにある「エッテ ホテル」では、カクテルのプロ Jarl de Vries 氏がプロデュースする魅力的なノンアルコールカクテルを楽しめます。

The Merrion

Dublin, Ireland

Book now

Book now

健康第一

Jones 氏は「 外出が普通になった今、人々は健康や気力を取り戻したいと考えています」とも述べています。ウェルネスツーリズムはウェルネス業界において最も成長スピードが速い分野で、ダイエットやヨガのスキルアップなどを目的とした従来の旅行とは一線を画した形態の旅行が誕生しています。イギリスの「ローズウッド ロンドン」は、睡眠改善のための旅行パッケージを提供しているホテルの 1 つです。フロリダ州オーランドの「レイク ノナ ウェーブ ホテル」では、更年期障害の症状を改善するためのコースを開催しています。このような健康増進を目的とした休暇では、お酒の出番はなさそうです。

Lake Nona Wave Hotel

Orlando, Florida

Book now

Book now

自分を変える旅へ

昨今の旅行者は、二日酔いで何をしたか思い出せない旅よりも「思い出に残る旅」を好む傾向があります。40%* 以上の旅行者が「来年はデトックスを目的とした旅行を予約するつもりだ」と回答しています。このような旅行者は、小旅行やハイキングをするために早起きします。朝方に帰路につくことは好みません。「旅行や休暇の観点からも、この傾向を見逃すことはできません」。Jones 氏はこのように述べています。「これまでの『目の前のお酒はすべて飲む』ことをよしとする風潮から『自由な時間は貴重だ』というマインドに変化してきています」。人々は、自由な時間を身体的・精神的に自分自身を変えるために使いたいと考えていると言えるでしょう。例えば、メキシコの「ヴィセロイ リビエラ マヤ ラグジュアリー ヴィラ リゾート」のスパでは、通常のマッサージの枠を超え、マヤ文明から着想を得たマッサージメニューを提供しています。守護者の詠唱を聞きながら、火山岩から出る蒸気に包まれる神秘的な癒しの体験や、古代マヤ文明で貴重な水源とされていた天然の泉「セノーテ」に訪れ、完全にプライベートな空間でひと泳ぎできるツアーなど。旅が終わる頃には、新しい自分に生まれ変わっていることでしょう。

新しい形のナイトライフ

バーを超えた新しいエンターテインメントの需要増加を受け、ホテルは旅行者に充実した時間を過ごしてもらうためにより一層工夫を凝らしています。ギャラリーと同じ水準のインスタレーション アートを展示するホテル、 客室が映画館に早変わりするホテル[link to Paris room report if live in time]、有名スイーツ店のミルクバーが併設された「エース ホテル ニューヨーク」など。お酒なしでも、ホテルステイをたっぷり満喫できます。

Expedia Brands 部門が市場調査機関 OnePollに委託して実施した消費者調査の結果に基づきます。調査は2023年9月12日～10月5日に14地域20,000名を対象に実施しました。 

Kerry Potter

Writer

Kerry Potter は、旅行、ヘルスケア、カルチャー、ファッション、ライフスタイルの分野を専門とした編集者兼ライターです。Elle および ES Magazine の編集者としての経歴を持ち、ブランドのコンテンツ戦略に関するアドバイスの提供や文学イベントの調整・開催も行っています。また、オックスフォード ブルックス大学のジャーナリズム学部で準講師を務めています。スポーツと健康の未来に関する本『All To Play For』の共著者でもあります。