投稿者 : 道子 小野アムスデン、投稿日 2019 年 8月13日

バンコク・王宮周辺の穴場スポット。ラッタナコーシン歴史展示館が面白い!

バンコク観光で必ず訪れるであろう王宮周辺。旧王宮や王宮寺院ワット・プラケオ、巨大な涅槃仏で知られるワット・ポーなどが集まるバンコクを代表する観光地ですが、このエリアにラッタナコーシン歴史展示館という施設があるのをご存知でしょうか? なぜか観光客にはあまり知られていないのですが、堅苦しい施設名とは裏腹に、ハイテクを駆使しつつもどこか手作り感のある展示をしており、意外性があって新鮮なんです。さらに展示館の最上階は王宮を見渡せるビューポイントでもあり、絶景を楽しめるおまけつきです。

ラッタナコーシンとは?

ラッタナコーシンとは、タイの現王朝であるチャクリー王朝の別名。その名をつけたラッタナコーシン歴史展示館は、現王朝と、その都が置かれたバンコクという都市の歴史や文化を紹介する展示施設です。ちなみに王宮を含む一帯は、チャオプラヤー川とロープクルン掘に囲まれた「島」であり、ラッタナコーシン島といいます。

いざ歴史展示館へ

ラッタナコーシン歴史展示館が立つのは、ラチャダムヌン・クラーン通り沿い。ロータリーになっている民主記念塔のすぐ近くです。アールデコ調のクリーム色で4階建ての建物は通りでも目立ちます。

こうした展示館は、歴史文化の学習のために学生が訪れることが多く、私が訪れたときも、かわいい制服姿の小学生達が入れ替わりで出てきたところでした。

展示館の見学は、20分ごとに行われるガイドツアーに参加し、コースの順路に沿って回るのが原則。ガイドツアーは所要時間別に3コースあります。ガイドはタイ語ですが、英語の音声ガイドを借りられます(借りる際はパスポート提示が必要)。

4D映画で王朝の歴史を振り返る

展示館内はテーマ別に9つのセクションに分かれています。その中から気になるスポットをいくつかご紹介していきましょう。

1階エントランスに入ってすぐの場所にある象徴的なオブジェ「LEDウォール」。展示館の名前が書かれた文字が英語とタイ語で交互に浮かび上がります。背景にバンコクの都のシルエット、画面のあちこちに鳥が飛んでいるというデザインで、色とりどりのLEDの光がとてもきれいです。

同じく1階の廊下は、導入部となるタイの王朝の歴史を振り返る年表コーナーになっています。タイ族初の統一国家スコータイ朝から始まり、アユタヤ朝、トンブリー朝を経て、現チャクリー王朝(ラッタナーコシン)に至るまでの流れが紹介されます。

王朝の歴史を年表形式で表示するところまではよくあるスタイル。ですが、2階にあがってチャクリー王朝の歴史を振り返る映像コーナーがなんと4D映画なんです。舞台上に幾重ものスクリーンが降りてきて、次々と場面が変わり、嵐の場面では水しぶきが!臨場感があって、なかなかの迫力です。

王室を通してつながるタイと日本

日本の方ならここにも注目していただきたい! のは、王室の儀式を紹介する「Renowed Ceremonies」セクションにある壁画。前国王ラーマ9世(プミポン国王)が2006年に即位60周年を迎えたときの祝賀行事を細密に表現したもの。ラーマ9世の誕生色である黄色のシャツを着た人々が街を埋め尽くす中、世界各国からお祝いに訪れた王族がバルコニーに並んでいる様子が描かれています。

ぐぐっとフォーカスしてみると、なんとシリキット王妃(当時)の隣には、私達にも見慣れたお顔が!日本とタイの王室の深い関係が現れているようで、日本人としてはちょっと嬉しくなります。

王宮の中の暮らしを見てみる

「Prestige of the Kingdom」セクションでは、王宮と王宮内の暮らしについての紹介がされます。こちらはワット・プラケオと王宮の展示模型のコーナー。想像以上に広大な敷地だったことに、改めてびっくりです。

王宮内の男子禁制の場、いわば「大奥」的な場所の女性たちも出てきます。女性たちがよもやま話を交わしながら、刺繍やお供えなどに用いる花飾りを造る様子が人形を使って再現されています。けっこうリアルで何だかその時代に迷い込んだ感があります。

王宮寺院ワット・プラケオに鎮座するエメラルド仏が年3回、季節によって衣替えをするのはよく知られています。本家では当然1パターンしか見ることができませんが、ここでは3パターンの衣装がすべて見られます。

全方位型シアターで伝統芸能に浸る

同じく3階にある影絵劇、仮面劇、古典劇などを紹介する「Remarkable Entertainment」セクションには、360度のシアターが。画面にはタイの伝統的な芸能が次々と映し出され、休む間もなく展開していきます。臨場感たっぷりで引き込まれますよ。そのほか、実際に人形を使って、仮面舞踏劇(コーン)に出て来る登場人物の仕草やタイ舞踊の有名演目「ラーマキエン」に出てくる猿のリアルな動きをどうやって表現しているかなどを体験できるコーナーもあります。伝統劇の裏側が分って面白いです。

自分の顔がアバターになってバンコクを巡る!

3階にある「Sight-seeing Highlights」は、展示館のあるラッタナコーシンの街を紹介するセクションで、ここでの展示もひとひねりアリ。最初に一昔前の写真館?というようなレトロな写真機の置かれたコーナーで自分の顔写真を撮影します。

続いて、アニメーション映像でラッタナコーシンの街歩きをするのですが、そこに登場するメインキャラクターは先ほど撮った自分の顔のアバター!公園で遊んだり、博物館を訪れたり、食事やショッピングにナイトライフを楽しんだりと、アバター達が本当に楽しそうで、見ているとまるで自分が街を歩いている気分になれます。さっきの写真館がこうつながるか、という驚きも含めて楽しい趣向ですね。。

見学した人だけの特別な王宮ビュー

ツアーのハイライトは最上階の見学。王宮側に大きな窓が設けられており、王宮全体を見渡せるビュースポットとなっています。王宮や王宮寺院に入ったことはあっても、広い構内を歩くことに忙しく、全体のスケール感はつかみづらいもの。こうして一望すると、スケールの大きさに驚き、王宮建築の壮麗さに見入ってしまいます。その向こうに市街地の摩天楼が見えるのも、バンコクらしい風景で面白いですね。こちらは来館者しか入れないスペースで、まさに「穴場」なのです。

タイの現王朝の歴史とその文化をより深く理解できるラッタナコーシン歴史博物館。インタラクティブ展示といっても、ハイテク過ぎずちょっとレトロで手作り感のある展示がタイらしく、言葉がわからなくても感覚的に理解できるので楽しく回れます。入場料も安いのでぜひバンコク観光の際は訪れてみてくださいね。ツアー最終回の時刻が意外と早いのでご注意を。

ラッタナコーシン歴史展示館 (Rattanakosin Exhibition Hall
住所:100 Ratcha Damnoen Klang Avenue, Bawonniwet Sub-District,
Phra Nakhon District, Bangkok 10200
時間:10:00~17:00(最終ツアーの開始は15:00)
休み:月曜
入場料:100バーツ(約350円)
http://www.nitasrattanakosin.com/home.php?lang=en
※1THB=3.5円で計算。

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