エレファンタ石窟群は、ムンバイ近海に浮かぶエレファンタ島にある遺跡。フェリーで渡って、岩を彫り出して作った寺院や、女神の彫像、建物に施された浮き彫り装飾などを鑑賞しましょう。島全域に広がる石窟の中は、まるで迷路のよう。ガラプリと呼ばれていたこの石窟群の歴史は、5 世紀まで遡ります。この地に来たポルトガル人がゾウに似た大きな岩を発見したことから、エレファンタと呼ばれるようになりました。
島には 7 つの石窟があります。中心となる寺院は、中庭や広間のあるしっかりとした造り。堂々とした柱や見事な彫刻が見られます。ヒンドゥー教の神、シヴァ神を表す彫像が数多くあるのも特徴。サダシヴァと呼ばれる高さ 7 m の石像は要注目。3 つの顔はそれぞれ創造者、守護者、破壊者としてのシヴァ神を表しています。他に、ヨギスヴァラ (ヨガの神) やナタラージャ (舞踊の神) というシヴァ神像もあります。
明かりのついている通路が、他の小さな石窟につながっています。小さな石窟では、シヴァ神を祀った石窟より控えめながら、はるか昔の職人の技が光る格子細工や石細工が見られます。島の頂上部にあるのは、キャノン ポイントと呼ばれる展望台。そこからは島を見渡すことができ、入り江の向こうにはムンバイの南側の半島も見えます。
チケット売り場横の小さな博物館もお忘れなく。石窟群の概略や歴史を解説しています。また、アジャンタやエローラなど、インドの他の石窟群の写真も展示されています。
エレファンタ石窟群は、ムンバイの市街地から約 11 km の島にあります。エレファンタ島行きの船は、30 分おきにインド門から出航。乗船時間は 1 時間ほどです。ムンバイの港の景色を楽しむなら、追加料金を払って上のデッキの席を確保しましょう。インド門やタージ マハル ホテルなどの名所を眺めることができます。晴れている日には、最終便で戻るのがおすすめ。ムンバイの街に太陽が沈んでいく様子は、息を飲むほど美しい光景です。
エレファンタ石窟群は火曜から日曜まで入場可能。入場は有料です。島の船着き場で、英語を話すガイドを依頼しましょう。船着き場から石窟群までは歩いてすぐですが、ミニチュア トレインに乗って行くこともできます。詳しくは、石窟群の公式ウェブサイトでご確認ください。