靖国神社は、皇居付近の九段下にある神道の神社です。毎年桜の季節になると気象庁の職員が東京の開花状況を見に行く神社でもあります。境内のツバキザクラが満開になる姿は圧巻です。
二つの大きな菊の門で飾られた静厳な雰囲気の門と立派な鳥居が印象的な靖国神社は、もとは「東京招魂社」という名でした。それは、幕末の嘉永6年（1853年）以降の戊辰戦争などの内戦で命を落とした人々を祀りつつ、霊を慰めることを目的として明治天皇が創立したものです。
その後、戦時中に国を守るために名集され、尊い命を捧げた日本国民や犠牲になった人も祀られています。これまでに靖国神社に祭られている人の数はおよそ246万人にも上ります。
境内には、明治15年（1882年）に開館した日本最初で最古の軍事博物館、遊就館があります。軍服や日章旗、前線へ送り込まれた人々が自身の思いをつづった手紙、さらには実際に使用された武器も展示されており、日本軍事の歴史の記録を戦争の生々しさと合わせて伝えています。遊就館年中無休ですが、6月末と12月末に臨時の休館日が数日間あるのでご注意を。入場料は、大人800円、大学生500円、中学・高校生300円、小学生以下は無料となっています。
神社では、年中通して春季例大祭や秋季例大祭などの祭典やみたままつりなどの行事が行われています。もし東京観光で靖国神社に訪れる予定があれば、その時期にどんなことが行われているのか公式ホームページで確認してみるのもよいのではないでしょうか。
靖国神社は、度々近隣国との外交問題に発展したり、メディアで取り上げられたりします。しかし、あくまでも神社は神道の東京招魂社であり、明治維新のために犠牲になった日本国民を祀ることを目的として明治天皇によって創立された平和を祈る神社なのです。
アクセス： 地下鉄東西線、半蔵門線、都営新宿線九段下駅より徒歩5分。またはJR中央線、総武線各駅停車飯田橋駅より徒歩10分。
