400 ものホールに目を見張るような絵画や芸術作品が展示されるエルミタージュ美術館では、あっという間に時が流れます。1764 年にエカチェリーナ 2 世によって建てられ、現在では 300 万点もの作品を収蔵する世界最古かつ最大の美術館のひとつです。
ネヴァ川の堤防に沿って分かれた 5 つの建物を見学すると、バロック様式と新古典主義建築の荘厳さに圧倒されます。建物の多くは、かつてロマノフ王朝の宮殿として使用されていました。
なかでも冬宮殿は、ロシア随一のバロック様式建築です。遊牧民の工芸品から、結び技法を用いた現存する世界最古の絨毯までじっくりと鑑賞したら、スキタイ人とサルマティア人の金細工もお見逃しなく。
紀元前 5 世紀の古代ギリシャの陶磁器や、2 世紀頃の古代ローマの大理石彫刻も展示されています。イタリア ルネサンスの作品を展示した部屋ではティツィアーノやダ ヴィンチの作品、フランドル時代のバロック様式の作品を展示した部屋ではルーベンスやレンブラントの作品を鑑賞できます。
小エルミタージュ内のパビリオンの間では、見どころのひとつである豪華な内装に思わず立ち止まることでしょう。18 世紀に作られた黄金の孔雀のからくり時計や、印象的なモザイクの床を堪能してください。アルタイの碧玉でできたコリヴァンの飾り鉢のホールも必見。この作品は高さ 2.5 m の大作であり、部屋をしつらえる前に運び入れられました。
また 1819 ～ 1829 年に建てられた凱旋門のある別館も圧巻。凱旋門の先端には、6 頭の馬に引かれた二輪馬車に乗る、高さ 10 m もある勝利の女神像に目を奪われます。ロシア帝国時代には、軍の参謀部、外務省や財務省としてこの建物が使用されていました。
また、1783 ～ 1787 年にイタリア人建築家ジャコモ クァレンギによって建てられたエルミタージュ劇場も必見。現在でもバレエやコンサートが上演されていますので、機会に恵まれたらぜひ足を運んでみましょう。
エルミタージュ美術館へは、サンクト ペテルブルクの中心街から、地下鉄またはバスを利用できます。美術館は月曜日を除き毎日開館しており、入場料がかかります。
珠玉の作品の数々をじっくりと楽しみましょう。