ストーン タウンの奴隷市場跡は何十年もの間利用されていませんでしたが、記念館が設立され、この場所でかつてあった恐ろしい行為が風化しないよう取り組まれています。英国国教会の前に立って、過去の残虐行為に思いを致しましょう。
ザンジバル島の歴史で奴隷制の果たした重要な役割を学んでください。千年近い間、アラビア商人はアフリカ内部のコンゴまで入り込み、健康な若者の売買や誘拐を繰り返しました。アフリカ東海岸までの長い行程を生き延びた奴隷がダウ船に乗せられ、売買のために移送されたのがザンジバル島です。
奴隷は地下の待機房に押し込まれ、市の日を待ちました。むち打ち刑の柱に鎖でつながれ、とげのある枝で打たれました。むち打ちに耐えられた最強の奴隷が最高値で売られたのです。こうした残忍な歴史の事実について、教会内の展示と発掘品からさらに学ぶことができます。
奴隷制は 1873 年に国内で正式に禁じられ、島の市場はついに閉鎖されました。1870 年代に英国国教会大聖堂が奴隷市場跡に建設されました。祭壇近くでは、かつてむち打ち刑の柱が立っていた跡が見られます。
スコットランド人宣教師のデイヴィッド リヴィングストン博士は、奴隷解放活動を広めた中心的存在。その貢献を記念した十字架が飾られています。
屋外にあるインスタレーションも見逃せません。鎖で互いにつながれた奴隷の実物大の彫像が屋根のない待機房に立っています。クララ ソルナスの「メモリー フォー ザ スレイヴズ (奴隷の記憶)」という作品です。ただ、実際の待機房はこれよりもはるかに多くの奴隷が詰め込まれていました。
奴隷市場跡はストーン タウン中心部の近くにあり、ザンジバル港から南へ徒歩約 10 分です。英国国教会大聖堂で記念館の展示を見るには入館料が必要です。ストーン タウンはユネスコ世界遺産に登録されています。