スクーン宮殿とスコットランドの歴史は切っても切り離せません。数世紀にわたりピクト王国の首都機能を担ってきたこの宮殿は、後に宗教拠点として、またスコットランド王の即位式場として代々使われてきました。部屋の中にはフランス製のアンティーク家具や高価な磁器類、立派な肖像画の数々。ぜひじっくりと鑑賞してみて。宮殿を囲む草地は格別の美しさです。この敷地には森林のほか、蝶が飛び回る美しい庭園、非日常を体験できる迷路もあります。
当初この敷地に建てられた宮殿は 16 世紀にまで遡り、その後 19 世紀にジョージアン様式の邸宅として、今日の姿に再建築されました。宮殿の外から城壁の凹凸部を眺めてみましょう。この城壁は実は偽物。再建築時にスタイリッシュなデザインとして流行していたものです。この宮殿は、数世紀の間、マーリー家のマンスフィールド伯爵の邸宅でした。
宮殿の正面にあるムート ヒルにも足を運んでみて。ここはその昔、スコットランド国王の即位式を執り行った場所です。マクベス、ロバート 1 世、チャールズ 2 世など、スコットランド王は代々ここでスクーンの石に座り、王冠を授かってきました。丘の上に建つ長老教会のチャペルの前には、スクーンの石のレプリカが展示されています。
宮殿ツアーにもぜひ参加してみましょう。各部屋でガイドが質問に答えてくれます。スコットランド女王のメアリーが縫った刺繍は時間をかけて見る価値があります。この作品は、メアリーがリーブン湖の刑務所に収容されているときに作られたものです。1842 年にビクトリア女王やアルバート皇子をもてなしたと言われる特等室もお忘れなく。印象的な展示室には、磁器が飾られた食器棚が並びます。目を見張るほど見事なコレクションです。
宮殿の外に出たら、40 ヘクタールを超える壮大な敷地を散歩してみましょう。宮殿に生息するクジャクを探してみて。スコットランド国王の名前にちなんでさまざまな名前が付けられています。子ども連れの方は、2,000 本を超えるブナの木で作られた迷路にも行ってみましょう。きっと大喜びではしゃぐはず。
スクーン宮殿はパースの北方 3 km 先にあり、テイ川の東岸に位置しています。パースからは定期運行のバスが出ており、敷地内にはパーキング (無料) もあります。入場料を支払う必要がありますが、宮殿の周りの草地は、期間限定で無料で入場できます。宮殿の公式サイトで詳細を確認しておきましょう。スコットランド貴族のスクーン宮殿での暮らしには驚きがいっぱいです。きっと思わず引き込まれてしまうはず。