1834 年の開館時には小規模な施設だったザルツブルク博物館。以来、ザルツブルクの芸術遺産と文化遺産を所蔵、展示してきました。是非訪れて、この街の豊かな歴史を学ぶと同時に、2009 年の欧州年間最優秀博物館賞に選ばれた理由を自分の目で確かめてみましょう。展示内容は、考古学と中世の歴史に関するものから、各時代の建築術についてのもの、ザルツブルクの人々による、芸術、科学、政治における偉業の紹介にまでに及び、実に充実しています。
開館当初の建物は、第二次世界大戦でひどく損傷を受け、使用できなくなりました。その後数十年、仮の建物で営業を続けた後、ザルツブルク中心部のモーツァルト広場に立つ新レジデンツに場所を移しました。新レジデンツは元々、ザルツブルクの大司教が住んでいた豪華な宮殿。この建物には、17 世紀に造られた、35 個の鐘から成るグロッケンシュピールが備わっています。
博物館は 3 つのフロアから成ります。1 階には、ザルツブルクの歴史における重要人物に関する展示。マルチメディア展示もあります。
2 階には、ザルツブルクの芸術の近代史についての展示。ロマン主義の時代の作品や、地元の芸術家による風景画が展示されています。また、2 階には中世の遺物や考古学的遺物も展示。ケルトの水差しや、ゴシック様式の多翼祭壇は見どころです。
次に、地下の通路パノラマ パッセージを通って、パノラマ博物館へ。19 世紀に J. M. サットラーによって描かれた、ザルツブルクの街の風景絵 (全長 26 m) を円形パノラマとして展示しています。
中庭の地下にあるのはクンストハレ (アート ホール)。ここは企画展用の多目的スペースで、年に 3 回企画展が行われています。
ザルツブルク博物館はザルツァハ川近くのモーツァルト広場にあります。近隣には、大聖堂博物館やモーツァルトの生家などの見どころも。入館料には音声ガイド機器のレンタル料金も含まれます。お年寄りと子供には割引料金が適用されます。パノラマ博物館との共通チケットがおすすめです。木曜日の夜には無料のガイド ツアーも開催されるので、利用しましょう。ザルツブルク博物館の定休日は月曜日。その他に 11 月 1 日とクリスマスの日も休館となります。モーツァルト広場に流れるグロッケンシュピールの音色にも耳を傾けましょう。毎日午前 7 時、11 時、午後 6 時に演奏され、無料で聞くことができます。