東京の人口のうち、97パーセントは日本国民。残りの3パーセントは外国人です。海の向こうの故郷と人が懐かしくて同郷の人と会うところを探し求める人が多いのです。
六本木周辺は各国大使館にくわえて外国人向け住宅や外資系企業のオフィスが多いので、そんなことにもってこい。ゆえに、都内のどの場所よりも国際化を目と耳と雰囲気で感じることができる地域なのです。
なかでも、六本木ヒルズは異文化が交差する場所。高さ238m、54階建てのランドマークである「森タワー」を中心にホテル、住民棟、企業テナント、野外イベントスペース、学校施設、ショップ、レストラン、ジムなどが集まった大型複合施設です。森ビルの大部分は外資系企業も多く入るオフィスフロアですが、最上階は森美術館と展望台、東京シティビューとスカイデッキになっています。
53階の森美術館と52階の東京シティビュー屋内展望台の券は共通です。近代アートを展示する美術館は、才能ある若手アーティストの卵や駆け出しの芸術家の作品展を開催することがよくあります。また、52階地点からは海抜250mからの眺めが広がっています。シティビューは10:00から22:30、金曜日から日曜日は24:00まで営業していますので東京の夜景を一望しながらのんびり過ごすことができます。
追加料金でさらに20m上の野外展望台、スカイデッキへ出ることも可能です。こちらは11:00から19:30まで。天候などによって不定休になることも少なくないのでご注意ください。また、冬期は冷たい風が吹き付けるので防寒をしっかりなさってください。風邪を引いてしまいますよ。
緑の中でほっと一息つきたくなったら、ヒルサイド棟の毛利庭園へ。かつて大名屋敷(注1)があった場所に造られた4300平方メートルの回遊式庭園で、池、滝、清流、桜、イチョウの木、メダカなどが四季折々の風景を見せてくれます。
今となっては都内の人気スポットの一つである六本木ヒルズですが、かつてこの六本木6丁目は約500世帯が暮らしていた住宅密集地でした。木造家屋や小規模のアパート、マンションなどが所狭し建っていたため消防車が通行不可能なほど道幅が狭かったのです。そんなこともあり、昭和61年(1986年)11月に都より再開発誘導地区の指定を受けました。六
本木6丁目であったことから「66(ロクロク)開発」の呼び名で事業者が再開発の呼びかけを開始。その後、計画の立案後のバブル崩壊や反対派住民による抵抗などの紆余曲折を経て15年後の2003年4月25日に完成、開業するにあたったのです。長い年月がかかりましたが、最終的に1995年1月の阪神淡路大震災を受けて耐震免震構造が組まれ、地区内の有権者の約8割が組合に参加したのです。
(注1)長州藩の分藩、長門長府藩主毛利綱元の麻生上屋敷の跡地、毛利甲斐守邸跡。かつての庭園構造は、毛利池の下に埋土保存されている。再開発以前は非公開だったがその後、一般でも出入り可能になるように健全再生された。