高さ約 73 m (240 フィート) のインドで最も高いミナレットであるクトゥブ ミナールは、1193 年にデリーで最後のヒンドゥー教徒の王国が敗北した後に建設されました。5 層から成るこの塔の最初の 3 層は赤砂岩でできたひだ状の壁になっており、4 層と 5 層は大理石と砂岩で造られています。
クトゥブ ミナールの土台は 1200 年頃に建てられましたが、最上層が完成したのは、それから 150 年以上も後のことでした。各層にあるバルコニーとろうそくや、アラベスク (唐草模様) とコーランの章句が刻まれた外壁が特徴的です。クトゥブ ミナールの建設理由については議論が分かれています。インドでイスラム支配が始まったときに、勝利を記念して建設されたという説もあれば、礼拝時刻を告知するのに使われる塔、ミナレットとして建てられたという説もあります。クトゥブ ミナールの近くには、インドで最初に建てられたモスクとされるクワット アル イスラム (イスラムの力) の遺跡があります。東門の上に記された銘によると、このモスクは、27 ものヒンドゥー教の寺院を破壊し、その石材を利用して建てられたということです。モスクの中庭を散策して、長い間さびないことで有名な古い鉄柱で願い事をしてみませんか。高い技術を持つ古代インドの鍛冶職人は、時間が経っても腐食しない方法で、鉄を採取して処理しました。この高さ 7 m (23 フィート) の鉄柱に背中をあてて、後ろに両手を回して指先が付けば、願い事がかなうと言われています。現在では鉄柱の周りに囲いがされてしまいましたが、願い事の妨げにはならないでしょう。クトゥブ ミナールへ行くには、ニューデリー中心部から車で約 30 分、空港からは 25 分ほどかかります。市内からはバスが運行されていて、所要時間は 60 分から 90 分です。