16 世紀後半にメディチ家がフィレンツェ外の別荘として建てさせたピサ王宮 (パラッツォ レアーレ)。この壮大な邸宅には、さまざまな名士が住み、盛大な催しが繰り広げられた歴史と、芸術品の膨大なコレクションがあります。1989 年以来、宮殿は国立博物館となっており、16 世紀から 17 世紀のあいだに、メディチ家、ロレーヌ家、サヴォイア家によって収集された数多くの芸術作品や、当時の衣服や家具、武器などが展示されています。
ピサの歴史地区を歩いていくと、この巨大な宮殿に到着します。外観は地味なデザインですが、非常に大きな建物であることがすぐにわかります。まずは、ガリレオが星を確認したと言われる小さな塔、トーレ デッラ ヴェルガ ドーロを探してみてください。
旧王宮博物館の中に入ると、膨大で多様な芸術品のコレクションが目に入ります。王宮を住まいとしていた名家がそれぞれの芸術の好みをこの宮殿に取り入れました。さまざまな様式の芸術作品が並ぶこの博物館で見ることができるのは、ピサが誇るフレスコ画や宗教画だけではありません。16 世紀のフランドルの画家たちが宮殿のために制作した洗練されたタペストリーや、象牙の細密画の幅広いコレクションをお楽しみいただけます。エレオノーラ・ディ・トレドの衣装コレクションを見て、当時のファッションについて理解を深めてみてはいかがでしょう。また、約 900 点もの 16 世紀から 17 世紀の武器の展示では、ピサの長い戦史の一端を知ることができます。
ピサの考古学的、芸術的に重要な品々を保管していた最初の施設も、宮殿内に入っています。
ピサ王宮は、中世の街ピサの中心部にあり、アルノ川の北岸に位置しています。市街地から徒歩で、または、3 路線ある王宮行きのバスに乗って行くことができます。市内中心部の駐車場は見つけにくいことで有名ですが、川をはさんだ向かい側にメーター制の駐車場があります。王宮の休館日は、毎週火、日曜日と主要な祝日です。入場は有料です。