香港を象徴するものといえば、摩天楼です。何百もの高層ビルが、世界最大級の金融の中心地にひしめいています。しかし、そんな都市部からほど近い場所に、そうとは思えない程静かで穏やかな香港湿地公園は広がっています。
この公園は 2006 年に香港政府によって、地域における多様なニーズに対応するために作られました。ここは環境保全を目的とした緩和エリアであり、周辺地域の商業および住宅開発の代償として緑のスペースを保全し、提供しています。湿地は責任を持って管理されていて、それによって住民はもちろん観光客もほっと一息つけるエコツーリズムの名所として広く知られています。人や建物が密集する都市部の喧騒に疲れたら、新界に広がるこの湿地公園を訪れ、身も心もリラックスし、自然について知識を深めましょう。
60 ヘクタール (250 エーカー) の広大な敷地内には緑の広場が広がり、小川が流れ、板張りの遊歩道がのび、そのすぐ先には天水囲の高層マンションがそびえています。園内の種を把握し、環境がどれだけ健全か確認するために、作業員が定期的に植物や動物の生態を監視しています。240 種以上の鳥のさえずりに耳を傾けながら散策しましょう。ここの鳥のほとんどは水鳥です。他にも、両生類が 9 種、は虫類が 28 種、トンボが 52 種、チョウが 157 種、さらに数えきれないほどの種類の魚や哺乳類、水生植物が生息しています。その中でも特別なのは、海水ワニの「貝貝」(プイプイ) です。水際で日光浴をしていることが多いので、その姿を一目見にお越しください。
10,000 ㎡ (2.5 エーカー) もの広さがある屋内のビジター センターには 5 つのギャラリー、 200 人を収容するシアター、子どもの遊び場のスワンプ アドベンチャー、お土産ショップ、カフェが入っています。観景廊 (展望ギャラリー) からは、望遠鏡や CCTV、鳥の種類が書かれた案内板を使って園内を飛ぶ鳥の種類を特定することができます。広東語、普通話、英語、日本語、韓国語の音声ガイドと点字が利用できます。また、園全体にはバリアフリー設計が取り入れられているので、安心してお楽しみいただけます。
香港湿地公園は火曜日がお休みです。屋内施設と屋外スペースをすべて見るには、少なくとも 4 時間は確保するようにしましょう。日差しは強く、蚊がいるので、適切な服装でお出かけください。
香港湿地公園は新界の天水囲に位置します。有料の駐車場はありますがそれほど広くないため、公園側は公共の交通機関を使うことをすすめています。天水囲駅または湿地公園駅までバスまたはライトレールをご利用ください。