城塞内のモニュメントや建物は、10 世紀を超えるベトナムの独立への戦いを見守り続けてきました。ハノイで歴史散策を。象徴的な建造物や掩蔽壕 (えんぺいごう)、軍事施設は、長年の政治抗争と侵略軍との戦いの記録でもあります。静かな庭を散歩し、近くのベトナム軍事歴史博物館も見学しては。
初期の中国文化、南方のチャンパ王国、宗教的伝統は、城塞の建築様式に影響を及ぼしました。ハノイの城塞は、7 世紀に造られた中国の砦の遺構を基に、11 世紀に建造されました。中国時代の井戸や建物の一部が現在も残っています。グエン王朝期に建てられた 8 つの門のひとつ、端門 (ドアン モン) から中に入りましょう。石に彫られた龍やキン ティエン宮殿の遺構をご覧ください。ハウ ラウ (王女の塔) を眺め、戦争歴史博物館のフラッグタワーに上り、ハノイの町のパノラマビューを楽しみましょう。
1880 年代、タンロン皇城はフランス領インドシナの中心でした。北門 (クアバック) に残る砲弾の跡をご覧ください。フランスの軍艦が放った砲弾が当たった跡です。最初の独立戦争後の 1954 年には、北ベトナム軍の司令部が皇族一家が暮らした城に置かれました。地下の D67 (作戦司令部) は、ベトナム戦争時にザップ将軍が身を隠した場所です。
2010 年にユネスコ世界遺産に指定されるまで、城塞は軍事基地として利用されていました。
庭の向こう側にあるベトナム戦争歴史博物館は、戦争に関する豊富な情報を提供していますから、ぜひ立ち寄ってください。中国、フランス、アメリカからの侵略に抵抗した、ベトナムの戦争の歴史について学んでください。
文化的に意義深い場所であるにもかかわらず、ハノイ城塞はさほど有名な観光名所ではありません。城塞は、ホーチミン廟の向かいにあるバーディン広場の隣にあります。周辺には一柱寺や、7 世紀に造られた建物の発掘現場がある「ホアンジエウ 18 番考古学遺跡区」など、いくつかの重要な見どころがあります。
ハノイ城塞は、市の中心部から徒歩で容易にアクセスできます。大人は入場料がかかりますが、15 歳未満のお子様の入場は無料です。城塞は、月曜日を除く毎日、見学が可能です。