ヤックラム寺を訪れると、ホーチミンの歴史の重要なひとこまを体感できます。1744 年に建てられたこの木造の仏教パゴダは、市内最古の歴史を誇ります。ヤックラム寺の門をくぐると、何世紀にもわたって僧たちがめい想の場としてきた静かな聖域が広がっています。
ヤックラム寺はストゥーパですぐに見分けがつきます。7 層の塔で、ホーチミンを代表するランドマークの 1 つです。ストゥーパの各層には、たくさんの種類のブッダの遺物が収められています。
前庭には崇拝の対象である僧の墓所があり、盛大に飾られています。敷地内にある建物には、遺灰を収めたカラフルな骨つぼが並び、ろうそくなどが故人に手向けられています。庭の中央には珍しいぼだい樹があります。1953 年から庭園の中心を占めている木です。この木の隣には、慈悲の心を表す白い観音菩薩像が立っています。
ヤックラム寺の主殿は本堂、法堂、食堂で構成されています。寺にある 98 本の柱には、重要な仏典の言葉が刻まれています。柱を数えてみるのもよいでしょう。この寺で歴史ある塑像を鑑賞すると、長年にわたるベトナム美術の発展が見てとれます。壁面には故人をしのぶ肖像画が並んでいます。内陣には、仏教の重要な仏である大型の阿弥陀仏像が安置されています。
ヤックラム寺の僧侶は親しみやすく、訪問者を歓迎してくれます。訪問のタイミング次第で、美しい詠唱や礼拝を耳にする機会に恵まれることもあります。脇にある部屋では、僧が運勢や悩みについて相談を受けています。
ヤックラム寺は毎日一般公開していますが、正午前後に数時間、見学者が入れない時間帯があります。寺はホーチミン中心街から 5.8 km (3.6 マイル) の距離に位置しているため、オートバイやタクシーですぐに訪れることができます。境内に入るときには帽子をとる必要があります。