ピサのミラコリ広場の中心的建造物であるピサ大聖堂 (ピサのドゥオモ) は、この大聖堂の独立した斜塔とともに、イタリアでも有数の撮影スポットです。ドゥオモは今も教会として使用されています。
この大聖堂を一周して、その大きさを実感してみてください。ドゥオモを設計したイタリアの建築家ブスケートは、死後にその功績がたたえられて、大理石のファサードのブラインド アーチ内に埋葬されました。
この壮大な大聖堂の最初の土台が築かれた 1093 年、のちに花開くピサ ロマネスク建築の種はこの時にまかれ、それから約 1000 年後の現在、トスカーナ州の至る所で見られる建築様式となっていますが、今なお、ピサのドゥオモは、この建築の最高傑作とされています。
斜塔に最も近いブロンズ製の聖ラニエリの扉から身廊に入っていきましょう。中には、かつて「最初の現代彫刻家」と呼ばれた巨匠彫刻家、ジョヴァンニ・ピサーノが制作した、大理石の床をもしのぐ素晴らしい説教壇があります。ドゥオモを装飾していた中世の芸術作品の多くは 1595 年の火災で焼失してしまいましたが、今では、中世とルネサンスの作品が見事に融合する大聖堂となっています。
身廊の両側にある側廊の片方を歩いていくと祭壇があり、上を見上げると、ジャンボローニャ作のキリスト磔刑像と、後陣を飾る巨大な 13 世紀のモザイク画をご覧いただけます。聖歌隊席では、その入り口の目印である 2 体のブロンズの天使像をじっくりと見てみましょう。
週末に訪れるなら、38 人編成の聖歌隊の歌声を聴きに日曜ミサに参加してみませんか。ドゥオモの丸屋根の下で響きわたる美しい声に耳を傾けるのは格別の気分です。
旧市街のはずれにあるミラコリ広場に立つピサのドゥオモ。市内からは徒歩またはバスで行くことができます。遠くからお越しの場合は、広場から歩いて 5 分ほどのところにあるピエトラサンティーナ通りの有料駐車場を利用されるといいでしょう。ドゥオモは毎日見学できます。入場は有料です。ミラコリ広場のほかの施設にも入ることができる共通入場券を購入されると、入場料が割引になります。